エネルギー効率最大化を実現、電力自由化を見据えて(2ページ目)

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「エネルギー効率の最大化」をコンセプトに

「エネルギー効率の最大化」をコンセプトに掲げるオムロン。今後は、商品のさらなる小型高効率を目指すための取り組みを強化していく考えだ。その一つが、電力損失の大幅な低減につながるシリコンカーバイド(SiC)素子を使った商品の開発だ。従来の屋外仕様パワコンと比べ体積で2分の1、効率の損失で2分の1を実現させる。小型分散型電源と電力会社の系統をつなぐ際に必要な保護装置の第三者認証、JET認証をすぐ取得できるレベルにまで開発を済ませており、「SiCのコストが下がればいつでも商品化できる準備を進めている」と大橋氏。

さらに2016年の電力小売の全面自由化、さらには太陽光発電の発電コストが通常の系統の電力のコストと同等となるグリッドパリティを見据え、発電した電力を自家消費できるようにすることも視野に入れている。「エネルギー効率最大化のために多様なエネルギーをミックスし、そのために必要な変換・制御機能を備えた商品開発を目指します」と展望を語る。

太陽光や水力、風力などの「リニューアブル(再生可能)エネルギー」、ガスをベースにした燃料電池や発電機などの「ステーブル(安定)エネルギー」、蓄電、バッテリーといった「エネルギーストレージ」、このような様々なエネルギーソースをハイブリッドで入力しエネルギー変換、制御ができるようになると、「これまで太陽光発電と連携し停電時のバックアップ機能やピークカットの機能を備えてきましたが、それ以外のエネルギー、たとえば燃料電池などとも連携しながら電力の安定的な供給を可能にもできます。さらに、自家消費に対しては、電気として蓄えてピーク制御にという使い方もできるようにもなります」。エネルギーの変換技術と制御技術を活用することで、効率的なエネルギーの活用を可能とするものだ。

電力自由化等で想定されるエネルギー・ミックス
電力自由化等で想定されるエネルギー・ミックス

近い将来に実現する電力自由化後は、電力供給、電力小売、需要家の3つのカテゴリーの顧客がターゲットとなる。それぞれの立場でテーマとなる安定供給、需要の平準化、ネガワット取引、グリッドパリティ、自家消費などのニーズに対し、エネルギーミックスの変換・制御技術で応えるオムロン。目指すのは「エネルギー効率の最大化を考える方々にとって真っ先に選んでいただける企業」だ。

【エネルギーソリューションについて】
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オムロン株式会社
環境事業推進本部
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
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