パワコン選びの新しい視点 「20年間の運転コスト」(2ページ目)

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従来の大型パワーコンディショナは筺体が大きいので据え付けの際に収納用建屋と一緒に運搬することができない。また建屋を設置するためのコンクリート土台の面積も大きくなる。

これまでのように広大な遊休地であれば問題ないが、これから需要の見込まれるゴルフ場や狭隘な遊休地では、据え付けに必要な大型クレーンなどの重機を運び入れることも難しくなる。

さらに設置が傾斜面なら基礎工事費も跳ね上がる。しかし、すべての製品が屋外設置タイプのSMAのパワーコンディショナに建屋は不要だ。狭隘地での運搬や設置も手間を省けコストダウンが可能である。「これまでのプロジェクトはパネル、パワーコンディショナ、運搬、工事それぞれを切り離して考えていたが、初期費用を抑えるにはすべてをトータルで考える必要がある」と川久保氏は指摘する。

パワコンを収納するための建屋が不要で、そのまま屋外設置が可能。工期が短く、設置費用も抑えられる
パワコンを収納するための建屋が不要で、そのまま屋外設置が可能。工期が短く、設置費用も抑えられる

非接地式パワーコンディショナ

一般的に、落雷によるパワーコンディショナの被害は正確な数値こそないものの、毎年かなりの件数にのぼっているのではないかと見られている。だが、SMAのSunny Tripower(10kW)は、誘導雷事故をほとんど起こさないことでも注目されている。その理由は、落雷時の過電流から製品を守るため一般に電力線にアース線を必要としない非接地方式を採用していて、SMAのSunny Tripowerもこの方式を採用しているからだ。

ところが日本は3相目を模擬仕様とした接地方式を一般的としており別途アース線を設けなければならない。このためアース線から過電流が流れ込む危険性もあり誘導雷の影響を受けやすい。さらに大きな違いは、万が一誘導雷で被害を受けてもSMAは部品のバリスタを交換するだけの修理で済み、停止時間も短い。

一方、SMAの国内展開で力を入れているのが4.5kWを中心とした住宅用のパワーコンディショナだ。これまで25,000台を販売し、なかでも市場占有率トップが5,000台を販売した沖縄。

ユーザーは堅牢性と耐塩害を高く評価し、台風で被害の出にくいことを理由にあげる。沖縄を通過する台風はスピードも遅く数日間にわたって暴風雨になりやすい。瓦などの飛散物が鉄板の筺体に当たり破損させるケースも珍しくない。

しかしSMAの筺体はアルミダイキャストの一体成型なので堅牢性と密閉性に優れており、飛散物にも海風による塩害にも確実に耐えられる。(※)さらに静粛性や、外壁に据え付けられる軽量さも施主から支持されている。

SMAで今後注目されるのがHEMSへの対応だ。「住宅向けのソーラーシステムは値段や耐久性だけでなくバッテリーとの組み合わせも問われるようになる。SMAは世界で初めて両者のインバーターを一体化した製品を開発した。ユーザーはモニタリングシステムのサニーポータルも無償で利用でき、安心と安全を提供できる」と川久保氏は自信をみせる。今春発売した880kW・1000Vのメガソーラー用パワーコンディショナも受注しユーザーニーズを的確に捉える。産業用のメガソーラーから住宅用の低容量まで同社のこれからの飛躍が期待できそうだ。

【SMAパワーコンディショナに関するお問い合わせは、こちらから】
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SMAジャパン株式会社
〒105-0014 東京都港区芝3-23-1 セレスティン芝三井ビル8階
http://www.sma-japan.com/

2ページ目(※)ISO9001、ULおよびETL認証、IPC-A-610E など各種認証済み。気候変動試験 UL 1741、高温多湿試験 EN60068-2-78/30に対応、高密度砂塵試験(アリゾナ・ダスト試験) EN60068-2-68に対応、振動試験 EN 60068-2-64/29、IEC 60068-2-6/ICC-ES AC156に対応、輸送試験クラス 2M2、ノイズ試験 EN3744:11に対応、塩水噴霧試験 IEC60721-3-4に対応。その他、各種試験機関の試験、独自基準の試験を実施。詳細は、お問合せください。

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