出力制御・エネルギー効率利用に貢献 (2ページ目)

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第二弾のEIGでは、HEMSとの柔軟な連携により、住宅における総合的なエネルギー管理を目指す。それについて、栗林主査は次のように語る。「弊社は系統連系を得意としていますので、それを活かして広義のパワコンを担い、エネルギーの見える化・省エネを得意とする企業が担ったHEMSと連携を行います。その結果、それぞれの強みに特化でき、さらに省令改正に伴う出力制御対応とエネルギーマネジメントシステムを兼ね備えた効率的なトータルシステムの構築と進化が可能となります」。

つまり、自社製品だけでなく、HEMSをはじめとした、エネルギーマネジメントシステムが得意な機器と接続を可能にする事によって、より効率的なシステムを構築しようという構えだ。

従来、パワコンとHEMSコントローラは直接通信を行わず、CT(変流器)で発電量を計測する方式が主流であったが、第二弾のEIGではパワコンが持っている発電量情報や保守につながる情報、分電盤から計測した消費量情報をEIGからHEMSコントローラへECHONET-Liteプロトコルで出力することができる。これにより、家全体のエネルギーの見える化や太陽光発電システムの監視をHEMSに集約することができるのだ。

低圧ミドル市場にも対応

すでに、固定価格買取制度(FIT)によって、重要な社会インフラとも言える太陽光発電システム。低圧ミドル市場では今後、システムの安定稼動や長寿命化が課題の1つとなっており、適切な遠隔監視と不具合時の対応が欠かせない。

EIG第二弾では、低圧ミドル市場にも対応できるように、パワコン12台まで接続ができ、出力制御対応とモニタリングの両立ができる予定だ。さらに、ローカル監視だけではなく、外部の遠隔監視システムとの連携も可能にする。具体的には、パワコン1台1台の情報もEIGからネットワークを経由して、発電事業者や施工会社などが活用する監視システムへ送信する仕組みだ。システムトラブルをいち早く発見でき、発電効率の最大化やダウンタイムの最小化を実現する。そうすることで、投資家の回収を最大化やエネルギーインフラの安定化にも貢献できるというのだ。

インテリジェントゲートウェイ システム構成イメージ

インテリジェントゲートウェイ システム構成イメージ

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「EIGは、さまざまな変化にも対応できる拡張性を有しています」(栗林主査)と、言う通り、耐環境性を高めた仕様で、屋外BOXタイプも検討している。これも、EIGの拡張性の1つで、制度や環境に対応するための特長だ。

AICOT®やパワコン・O&Mサービス、太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムやエネルギーの見える化システムなど、太陽光発電普及のための様々な技術や製品・サービスを展開してきたオムロン。今後は、2016年に電力小売全面自由化の実現や、蓄電池を活用したHEMSの普及など、将来的なエネルギーに関する環境変化が見込まれる。そのような中、同社は、常に先を見据えてエネルギー新時代へ貢献していく。

お問い合わせ
オムロン株式会社 環境事業本部
〒600-8530 京都市下京区塩小路通堀川東入
http://www.omron.co.jp/energy-innovation/

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