ドイツと比較した日本の太陽光市場 課題と克服ポイントとは?(2ページ目)

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世界中にある太陽光発電データの収集と蓄積

日本の太陽光市場への3つの課題に対して、それぞれ、パワコンで克服するべきテーマをあげた。

課題を克服するSMAパワコン

  • 太陽光発電エネルギーの大量導入と出力制御 → 信頼性の高い遠隔監視システムとの接続性
  • 安心・安全な電力インフラとして稼働させるべき制度・技術 → 長期信頼性・耐久性
  • 自家消費電源システム 地産地消・ZEHの実現 → 蓄電池を選択出来るパワコン

まず、出力制御を最低限度にとどめるためには、まずは、制御を正確に外部から指示をおくり動作することが重要になる。また、高い精度の発電予測も重要になる。これらは、信頼性の高い遠隔監視とのインターフェース(接点)が求められる。 SMAでは、独自のサーバーを持っており、世界中のパワコンの情報が集積されている。そこで、どの太陽光発電所でどのくらい発電しているのか、または、不具合が起きているのか、といったことが理解できるシステムになっている。このデータこそが非常に重要になる。

2点目の、長期信頼性・耐久性については、何と言っても、世界での過酷な自然条件での実績がものをいう。さらに、耐久性テストも、高温・低温・高湿・粉塵など様々な条件で行なっており、具体的には、下図のようなマイナス30℃から、65℃、湿度でいうと95%といった過酷な条件での試験を行っている。

SMAパワコン

3点目の、自家消費のために必要になるのは、蓄電池だ。しかし、特定の蓄電池メーカーしか対応しないパワコンだと、ZEH普及への足かせとなる。蓄電池を選ばず、テスラやメルセデスを含め、既に多くの蓄電メーカーとパートナーを組んでいるのがSMAの特長の1つだ。

今回の講演からは、事実ベース・数値データに基づいた実績と今後の予測を見た。日本市場でも、控えめにみたとしても、年間2.4GW分が15年は続く。ドイツも含めてこの安定成長の市場性について、再確認するとともに、安定成長する上でカギになるパワコンの機能についても、発電事業者・販売・施工会社ともに改めて理解しておくべきだろう。講演資料は文末からダウンロード可能なため、ぜひ参照されたい。

次回は、PVJapan2016のセミナーにて、同社サービスダイレクター兼テクニカルダイレクターの川上氏が講演した「電力インフラを支えるパワーコンディショナの役割と可能性」についてレポートする。

(本レポートは、再生可能エネルギー先進国のドイツの現状と、日本の今後の太陽光発電市場の課題や可能性について、今津氏の講演をもとにした記事です。講演では47ページの資料をつかい、ドイツのこれまでと、今後のエネルギー制作について、また、それと日本市場を対比する講演になっています。フォーラムに参加できなかった方々向けに、当日の講演資料を無料ダウンロード頂けます。こちら、また文末からダウンロードが可能です。)

※下記より講演資料のダウンロードができます。

下記より講演資料のダウンロードができます。

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