製造行程からPDCAにいたるまで圧巻のドイツ工場(2ページ目)
徹底した不具合改善『センドバック方式』
SMAは、20年設計という絶対的な技術でパワコンを提供している。
仮に、不具合が生じた場合、中小型機種は『センドバック方式』を採用している。
『センドバック方式』とは、パワコンに不具合が生じた場合、ユーザーもしくは施工業者やO&M業者へ通常2営業日以内に交換品を発送する仕組みだ。日本では常にモデルごとに数十台ストックしているため交換時に当日15時までに連絡を入れればその日に発送できることもあるという。
現場では故障品と付け替えればよく、パワコンに精通した専門のエンジニアがいなくても簡単に復旧できるので安心だ。
センドバック方式のすごいところは、これにとどまらない。
不具合の発生したパワコンは、このドイツ工場に『センドバック』つまり、文字通り送り戻され、不具合の内容や、その原因調査を徹底して行う。これにより、より不具合が発生しにくい製品開発や改良へ繋げている。30年以上パワコンを研究・開発・生産販売しているSMA。常に改善・改良を重ねていく仕組みが完成されている。
実際に、今回の見学ツアー参加者の中にも、センドバック方式を利用したことがある施工会社の方がいたので、意見をきいてみた。
『センドバック方式は、利用したことがあるが、現場の担当にも、発電所オーナーにも評判が良く、安心できる制度だ。また、不具合品は、ケースに入れてそのまま送り返すだけなので、手間もかからない。不具合は当然ながら、無いにこしたことはないが、いざというときに、こうした制度があるのは信頼できる。』
現場での安心感、作業の手間が楽ということに加え、さらに今回の工場見学で、製品の改良にまで活かされている点を確認し、更に信頼度が増したと言う。
今回は、SMAドイツ本社工場の取材を通じて、ハード・ソフト両面において、徹底したものづくりへのこだわりに感心させられた。やはり、商材を取り扱う事業者にとっては、単純にスペックや価格で評価・判断をするのではなく、設計思想や製造工程、継続的なPDCAの仕組みにいたるまで総合的な判断が必要になると感じた。
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