タブー視されてきたパワコンのワット単価の低減を実現(2ページ目)

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分散型とセントラル型を組み合わせたハイブリッドモデル

SMA会議

国土面積の狭い日本では、傾斜地や山間部に太陽光発電所を建設するニーズも多くなっている。その中で、運搬・設置しやすくメンテナンス等のイニシャルコストの安い分散型パワコンを採用することが増えている。

そのようなニーズに応え、SMAは「SUNNY TRIPOWER60」(60kW)を2017年に発売する。

「新製品は従来モデルに比べ、大型から中型発電所に最適なパワコンで、変圧機の近くに集中型設置することで、設置の簡易性およびシステムコストの削減が図れる」とSMAジャパン、アプロケーションエンジニアマネージャーの長 寿一氏は解説する。

本製品は75kgと軽量ながら従来の分散型とセントラルパワーコンディショナの利点を併せ持った一台だ。

 設置後も発電所の最適化を行うことができ、定期的な部品交換も不要なためランニングコストが抑えられる。また、故障時も迅速な本体交換が可能なため、長期的な利益の最適化に寄与できるという。

単機1MWで大幅なコスト削減と高信頼性を両立

平坦な土地に大規模な太陽光発電所を建設する際、定格出力の大きいパワコンを選ぶことで建設費の大幅削減を実現できる。つまり、パワコン自体の設置台数が少ないため変圧器の数、配線や通信の取り回しが簡易。施工期間が短く、大幅な初期費用(建設コスト)を抑えることができるという。SMAパワコンは、建屋や外部冷却システムが不要な野外設置タイプのため、自己消費電力の大幅な削減につながりランニングコストを大きく下げることができる。

「SMAの大型パワコンは全世界で13GW導入されており、様々な気候帯で最高の発電量を保証する高性能・高信頼性なメガソーラー用パワコン。今回の新製品Sunny Central 1000CP-JPはAC出力1.1MWを可能とし、他社のマルチスタックパワコン(複数の直交変換装置で構成)と比較し部品点数が少なく信頼性の向上に繋げている。 一般的にイニシャルコストにおける大型パワコンの費用は10%程度であるが、施工ミス、フィルター目詰まりなど発電所のトラブルとしてパワコンが起因する割合が75%にも上る(Solar Bankability Report調べ)。

SMAでは施工者が触れるエリアと内部電子機器を明確に分け、吸気口を高くするなど太陽光専業メーカーとして収益性の高いプラント作りのためのノウハウを盛り込んでいる。」とプラットフォームプロダクトマネージャーのVirag Satra氏は説明する。

次回は、発表会の後編として、太陽光発電所の発電量の最大化する最適構成とサービス体制についてレポートする。

(なお当日フォーラムに参加できなかった方々向けに当日の講演資料を無料ダウンロードいただけます。文末からダウンロード可能です。)

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