なぜ今国内なのか?「世界一」のモジュール工場を新設する日本メーカーの狙い(2ページ目)

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社員が能動的に働くクリエイティブな環境

常務取締役 小寺直人氏
常務取締役 小寺直人氏

─世界一の工場ということですが、具体的には。

小寺 まずは、メイド・イン・ジャパンの最高品質に徹底的にこだわってモジュールを生産します。

年間400~500MWのモジュール生産が可能ですが、まずは100MWの生産に留めます。国内外のメーカーを問わず小ロットのOEMも積極的に受託させていただきます。生産ラインは、世界の最先端の設備です。

工場を世界一と自負する理由は、「人づくり」の部分です。世界一の製品を作るために、人に投資をし、世界一の従業員を育てていきたいと考えています。

弊社が人づくりで一番大切にしていることは、自律的・能動的・積極的という姿勢です。世界の多くの工場は、工場長がいて、工員は上からの指示に従い、言われたことを黙々とこなすというトップダウン型が多いです。しかし弊社の工場は完全なボトムアップ型。「福島工場を良い工場にするためにはどうすべきか」ということを、1人ひとりが考え、発信し、共有できる環境になっています。

─人づくりにおいて、どのようなケアをされましたか。

小寺 高いモチベーションを持って安心して長期的に働けるよう、評価制度は明確になっています。どうすればキャリアアップするのか、給料が上がるのか、を見える化しています。実はその評価制度も現場からの意見を採り入れました。自発的に設備の仕様書を作ったりと、非常に高い意識で製品作りに向き合っています。今回の工場新設にあたり、シリコンバレーに集まるアメリカの大手企業などを視察し「働くスタッフのクリエイティブな発想から新商品は生まれる。そのためには、それを育む環境づくりが必要だ」と考えました。

レクリエーション施設もあり、クリエイティブな環境になっている
レクリエーション施設もあり、クリエイティブな環境になっている

工場の敷地内には、フットサルコートやリラクゼーションの部屋を作ったり、壁に世界中の絵を貼ったりと、新しい発想を生みだせる環境を整えました。制服も、ジャージ生地を採用し、工場の作業服とは思えないスタイリッシュなデザインです。人を育てることで、次のステージ作り、新たなモジュールの開発もしていきます。

太陽光発電で太陽電池を作る

─福島工場で、人づくり以外でこだわった部分を教えて下さい。

小寺 新工場には、5688枚(容量1.5MW)のモジュールを設置し、1.2MWhの蓄電池を組み合わせました。今は検証段階ですが、年間100MWのモジュール生産なら、電力のほとんどを自家消費でまかなえるシミュレーションで設計しました。

また、弊社の製品が世の中に出た時に、他社には絶対に負けない製品を、という考えで、製品検査は徹底的に行っています。世界のモジュール工場を見た場合、EL検査2回、IV測定1回というのが一般的ですが、福島工場ではそれを上回る体制で行っています。現栃木工場の不良率も低いですが、それをさらに超えることは間違いありません。

メイド・イン・ジャパンの最高品質を、目で見て体感していただけるよう工場見学ツアーも企画しています。

【小ロットOEM生産について】
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アンフィニ株式会社
【大阪本社】大阪府大阪市浪速区湊町1-4-38
【東京本社】東京都中央区晴海1-8-10


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