新規参入の不安を払拭! 商社の総合力を挙げた小形風力発電ソリューション

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世界的に発電容量が伸びる小形風力発電が国内でも注目されている。しかし、国内市場はまだ、スタートを切ったばかりで、導入にはリスクも伴う。丸紅が太陽光発電で構築したネットワークを活用し、市場の基盤づくりに乗り出した。

風力発電事業のバックグラウンド

FIT施工後、急激に拡大した太陽光発電市場が買取価格の低下とともに安定成長に転じる中、出力20kW未満の小形風力発電が注目を集めている。その理由は何といっても、他の再生エネに比べ買取価格が55円/kWhと高く設定されていることだ。また、パッケージ製品なので、比較的設計・施工に時間がかからないこと、太陽光と違い夜間でも発電できることも魅力だ。

しかし、システムの設置、運営には不確定要素が付きまとう。発電量を左右する風況が太陽光発電の日射量と違い不明瞭なため、発電量の予測が難しい。また、風車メーカーが海外ベンチャー企業なので、20年間、継続的なサポートが受けられるのか、あるいは信頼性の高い施工品質やO&Mサービスが国内で提供できるのかなどがある。

信頼の高いメーカーの小形風車を厳選して提案する
WinPower製(19.8kW)      C&F Green Energy製(19.5kW) Solid wind power製(19.8kW)
信頼の高いメーカーの小形風車を厳選して提案する

そんな中、丸紅のスペシャリティケミカル事業部が小形風力事業に本格的に乗り出した。取り扱いメーカーは、WinPower、C&F Green Energy、Solid wind powerの海外メーカー3社で、さらに順次拡大していく予定。課長の林高史氏は「通常、国内の販売店は1社のみの取り扱いとなることが多いですが、当社は販売店という位置付けだけでなく、案件組成を含めた最適なソリューション提案という、事業者との目線を合わせたパートナーとしての位置付けを重要視しております」と話す。

同事業部はもともと太陽電池の原料であるポリシリコンを取り扱っていたことから、太陽光発電システムの販売事業に参入し、累積800MWの実績を持つ。

小形風力発電のメリット

事業部長の正富竜一氏は「当事業部はエレクトロニクス、インダストリアル、ライフサイエンス、資源という4分野を軸に、世界25拠点で事業を展開しています。高品質で競争力のあるものを迅速・的確に取り入れ、販売しています。太陽光発電の取引先150~200社を中心にしたネットワークをフル活用して、太陽光発電市場並みのマーケットに育てます」と意欲的だ。

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