エネマネ事業者を活用し1/2補助金を受けた食品工場の省エネ取組(2ページ目)

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計画よりも1か月前倒しで年間削減目標値の5割を突破

2015年8月下旬、タカナシ乳業の省エネ事業がエネ合補助金事業に採択決定。設備工事へ向け準備が始まる。しかし、ここにも難題が待ち構えていた。

タカナシ乳業株式会社 生産部 北海道工場製造一課 課長 福田桂祐氏
タカナシ乳業株式会社 生産部
北海道工場製造一課 課長 福田桂祐氏

生産部北海道工場製造一課の福田桂祐課長は「北海道工場は自社工場へ原料を供給する役割を担い、24時間365日製造を行っています。もしも、ストップしたら大変なことになる。製造ラインを長時間止めることなく工事のスケジュールを組むのに苦労しました」という。工程を一部の製造ラインに集約したり、設備を小刻みに止めたりして工事の時間をやりくりし、昼夜を分かたず工事は進められた。

そして、2016年末には設備工事は終了し、その後も、エネルギー削減量は順調に推移している。2017年4月から8月までの5カ月間の実績は、1年間のエネルギー削減目標値の半数(6カ月経過地点での目標値)を1か月前倒しでクリアしている。また、エネマネ事業者による3年間のエネルギー管理支援サービスも、1月にスタートした。

福田氏は「EMS導入で、オペレーションの負担を感じることなく省エネ成果が出せる上に、今まで把握できなかった蒸気使用量や、過去の蓄積データが『見える化』され、設備管理がしやすくなりました。例えば不具合が発生した際も、そうしたデータや使用状況からすぐに原因を特定することができます。また、定期的に配管を巡回し、放熱、スチームトラップ、エアー漏れなどをチェックするアズビルの診断サービスも、配管等のチェック箇所が多いので大いに助かっています」と診断サービスも好評だ。

菊地氏も「皆さんのおかげで順調に省エネ成果が上がり、安全域に入ったと感じています。どうしても我々は優先すべき業務にとらわれて、改善点の検証は後回しになりがちです。エネルギー診断サービスでは、放熱ロスをチェックしていただくとともに、今後の改善点につながるポイントも見つけていただきたい。また北海道工場は熱利用が多いので、熱ロスも大きい。今後は排熱利用を中心にさらに省エネを進めていきたい。すでにいくつもの排熱利用も進めていますが、アズビルからの提案も大いに期待しています」と語る。

現にアズビルとのディスカッションから生まれたアイデアが今回の省エネ事業でも取り入れられているという。サテライト基地の液化ガスを気化する熱に、排水から回収した排熱が利用されているとのことだ。

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