電力会社で培った技術と起業経験を活かし再エネのスペシャリスト目指す

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東京電力、九州電力を経て起業にもチャレンジした星野兼明氏が、それらの経験を活かせる転職先として選んだのは、日本グリーン電力開発。環境・エネルギー分野に特化した転職支援サービス『環境ビジネスキャリア』のサポートで新たな進路を見出した。電力会社で培った技術と起業での経験をフルに活かし、地球環境にも貢献できる再エネのスペシャリストを目指す。

世の中の役に立てる仕事を

新卒で東京電力に就職した星野兼明氏。東京電力では大井火力発電所に従事し、発電所の維持管理をはじめ電気的な部分のメンテナンスに携わった後、3.11の東日本大震災をきっかけに、地元である九州電力へ転職した。九州電力では熊本の天草にある石炭火力の発電所で、出力や設備の不具合をチェックする性能管理の職務に就いた。星野氏は、大手電力会社で働く中で『電力を作る』という仕事に疑問を持つようになる。

星野氏
日本グリーン電力開発 星野兼明氏

「電力を作る仕事は世の中に貢献する仕事と頭では理解しても、なかなか実感として感じられませんでした。また、大企業であるがゆえに、自分の携われる部分がとても小さい。収入はよく安定もしていましたが、『このままでいいのか』と自分自身に問いかける日々が続きました」(星野氏)。

自分の力で何か新しいことを始めたいと、九州電力を辞め、すぐさま大学生や若者の就職活動を支援するベンチャー事業を立ち上げた。

「電力とは畑違いですが、私自身、大学や会社を決める時にあまり考えず後悔していたので、そうした経験を踏まえ、いかに人生や将来を考えるべきか、若者たちにアドバイスしたいと考えました」(星野氏)。星野氏は、この経験によって、大勢の若者と関わることで自分自身も成長することができ内面的な成長を遂げられたこと、さらにスキルとしては、経営や経理の実務の他、経営者の視点や考え方も身に着けることができたという。そして、自分自身を見つめ直す中で、「新しい考えが芽生えてきた」と星野氏。

「電力業界で身につけた知識・経験と、起業したことで学んだ経営的視点、これらを活かしながら何かできないかと考え、転職先を探しはじめました」(星野氏)。

電力や電気関係で仕事を探す中、目にとまったのが再生可能エネルギーの分野。

「電気にも様々な燃料がありますが、再生可能エネルギーは地球への貢献という意味でも悪いところはないと感じました。自分の持っている知識・経験プラス、世の中の役に立てるという部分でもモチベーションを高く持って続けられる仕事ではないかと考えました」(星野氏)。

業務の幅広さが魅力

マイナビやリクナビをはじめ、10近くの転職サイトに登録し、やりとりをはじめた星野氏。環境ビジネスキャリアを知ってから転職活動がグッと進んだという。

「自分が行きたい、魅力があると思える会社を紹介してくださる数の多さに驚きました。すごくいいところ、マッチしたところを紹介してくださったのです」(星野氏)。

さらに、担当者の『弊社が紹介するところに行かなくてもいいんです、星野さんが行きたいところに行ってほしい』という言葉に心打たれたという。

最終的に日本グリーン電力開発に決めた理由は「電気関係の知識・経験が活かせ、経営的な視点を持って仕事ができる。そのどちらも満たせる会社だった」からだという。

日本グリーン電力開発は、再生可能エネルギーにおける発電事業を専門的に取り扱う会社。構想から建設〈開発フェーズ~構築フェーズ〉までは案件開発(デベロッパー)や構築支援(Project Management・Construction Management)を、運用〈発電フェーズ〉に入ってからは保守運用管理(O&M業務)を担当する。

「発電所の開発、設計、建設、運営、メンテナンスとゼロから一貫して携われる業務の幅広さ。それが、私にとってはすごく魅力的に思えました」(星野氏)。

星野氏
「事業活動を通じて、日本全体の再生可能エネルギーのレベルを上げていきたい」と語る星野氏

日本の再エネのレベルを上げる

日本グリーン電力開発に転職し感じるのは、経営者との距離感の近さだという。

「発電所の企画の段階から、どんなものがいいかを社長と話しながら進めていくことができます。東京電力や九州電力では社長と話すことはまずなかった。経営者と対等に話せて意見が言えるというのは素晴らしいと感じます」(星野氏)。

これまで太陽光を中心に事業を展開してきた同社だが、今後はバイオマスを中心に風力、地熱といった他の電源にも力を入れていく。星野氏は現在、鹿児島に発電所を作る案件でプロジェクトマネージャーを任されているが、その経験を今後、他の電源でも活かしていきたいという。

『再生可能エネルギーを日本の大きなインフラにしていく』ことが、同社の大きなミッションだ。「再生可能エネルギーの分野では、日本は欧州などに比べ遅れをとっています。事業活動を通じて、日本全体の再生可能エネルギーのレベルを上げていきたい…」(星野氏)。

「30代は自分にとって濃密な時代にしたいし、一生懸命に走りたい」と話す星野氏。電気的、技術的な部分でこれまで培ってきたものを、再生可能エネルギーの分野でより広く、深く再構築していく。

30代のうちに再生可能エネルギーのスペシャリストになり、40代でそれを活かした独自のビジネスモデルを創っていきたいという野望を持つ。

「まずはこの会社で成果を出し、自分自身成長しながら、会社を通して世界に貢献していければと思います」(星野氏)。

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