注目高まる「中形風力発電」 投資利回り14~18%を確保(2ページ目)

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同機構が取り扱う中形風力発電機JW330は、永久磁石同期発電機によるダイレクト駆働方式を採用し、回転数は35回転/分と低速、静音で風切り音や翼の振動などが少ないため、騒音の問題が起きにくい。さらにギアレスなど風車の構造がシンプルで部品点数が少なく、保守性に優れていることも特長だ。

中形風力発電機 JW330 の建設現場
中形風力発電機 JW330 の建設現場

メガワットに比べ系統連系がしやすく、騒音も少ない

製造元の山東華業電気は中国市場で7~8割のシェアを占める中形風力発電のトップメーカー。もともとFRP成形加工メーカーとして、GE、シーメンス、ヴェスタス等に風車のブレードを提供してきた実績をもつ。会長の翟 樹興氏は「当社製品の一番の強みはコストパフォーマンスが良いことです。また中形であっても大形風車と同じ制御システムを採用しているので安全性が高く、しかも出力が330kWとメガワットに比べ容量が小さいので、電力会社の系統に受け入れられやすい。そのうえ中形の強みを活かし毎分35回転と騒音に配慮した設計なので、日本市場に最適な風力発電機です」と自社製品の優位性をアピールする。

山東華業電気会長の翟 樹興氏
山東華業電気会長 翟 樹興氏
JW330に搭載されている最新鋭の永久磁石同期発電機
JW330に搭載されている最新鋭の永久磁石同期発電機

日本市場で小形風力導入の先鞭をつけた大手商社丸紅も中形風力市場に注目し、販売・導入を検討中だ。太陽電池で800MW以上の販売実績をもつ同社機能化学品第二部エレクトロニクス第一課課長の村松 諭氏は「もともと日本は風力発電に適した環境。特に中形風力発電は小形に比べて高さがあり障害物などの影響が受けにくい。さらに、大形と比べても初期投資が小さく、立地制約も少ないことなどから、事業性・採算性の見通しがつきやすいと言えます。投資家にとっても55円の小形風力に替わる、取り組みやすい投資案件として期待できるでしょう。発電効率や施工コストなどを踏まえ、様々な観点から検証を重ねた上でお客様に最適な再エネ電源を提案していきたい」と前向きだ。

丸紅機能化学品第二部エレクトロニクス第一課課長の村松 諭氏
丸紅 機能化学品第二部エレクトロニクス第一課課長 村松 諭氏

風況調査と発電所用地を組み合わせ、機材販売を行うので安心

しかし、太陽光発電に比べ普及が遅れる風力発電については課題も多い。発電量を左右する風況は不確定で、発電量の予測が難しい。加えて、信頼性の高い施工品質やO&Mサービスを提供するネットワーク網が整備されていない。

金子氏は「風況調査については、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の風況マップの風速の出現率データを使い、年間発電量の計算式を開発しています。また、ヘリウムが漏れにくい特殊フィルムによる飛行船を上空に固定して、2~3カ月かけて風速、風向、乱流の有無などを計測することで、かなり正確に風況を予測できます。こうした風況調査と発電所用地を組み合わせて販売することで、安心して投資していただけます」と話す。すでに福島県や宮城県、高知県、鹿児島県など全国で平均風速7m/毎秒以上の用地確保に目途をつけているという。

さらに、風力発電の技術者を常駐させ、全国規模の販売店網、施工、メンテナンス拠点を構築、研修やセミナー等を通して正しい製品の知識と安全管理の普及を進めていくとしている。

IRREによれば、施工期間は基礎工事も含めて約7週間程度。輸送についても18mブレード3枚を除く部材はすべて40フィートコンテナ2台に収まるので輸送コストも抑制できるという。またメーカー保証は通常より長い3年保証、有償補償を17年間付けて20年間の長期保障が可能だ。許認可及び申請については単機であれば、経済産業省保安局に工事計画書を提出する必要がない。

IRREは当面、100機の販売を目指し、翟氏も「現時点で中形風力の最も有望な市場は日本と中国」とし日本市場の先行きに期待を込める。地産地消の分散型電源として、太陽光とのハイブリット電源としても、期待される中形風力発電。小形風力に替わりうる投資案件となるか、あるいは再エネの新たな市場を切り拓くか、注目される。

※『中形風力発電機 JW330 製品仕様書』を環境ビジネス限定で無料ダウンロードできます。

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▲中形風力発電機 JW330 製品仕様書
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ジャパンウインド株式会社(JWCL)
※JWCLは中形風力発電機JW330の販売、施工技術指導、メンテナンスのために設立されたIRREの子会社です。
電話:024-954-7100
FAX:024-954-7130
Email:info@japanwind.co.jp
URL:www.japanwind.co.jp

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