高出力モジュールの新シリーズを世界同時発売(2ページ目)

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太陽電池のセル表面では、発生した電流をまずフィンガー電極で集め、バスバー電極で集電する。MBB技術は従来のバスバー電極5本を9本に増やすことで、フィンガー電極上の電流伝達距離を短くし、抵抗損失を低減、出力を改善することができる。さらにバスバー電極が多いことで、マイクロクラック(微細な割れ)や断線の影響も受けにくくなり、信頼性向上の利点もある。

トリナ・ソーラーでは早くからMBB技術の研究開発に力を入れ、高い精度が要求される製造装置を中国装置メーカーと共同開発し、量産化に成功。中国国内では、MBB配線を搭載したパネルの出荷量でトップシェアを獲得している。

また同社は両面ガラスモジュールにおいても、早くからその製造に着手し、この分野の技術に関する28件の特許を取得。中国では最も早く両面ガラス技術の認証をTUV(第三者認証機関)から受け、量産を開始した。両面ガラスモジュールは表裏両面にガラスを用いる構造で、湿度や酸・アルカリ成分、飛び火、機械的な摩耗などによる劣化を抑制することができる。そのため、通常のモジュールより5年長い30年間のリニア出力保証を実現。現在までにグローバルで3GW相当の出荷実績を達成している。

両面ガラスシリーズ「DUOMAX」(写真左)、両面発電シリーズ「DUOMAX Twin」(写真右)
両面ガラスシリーズ「DUOMAX」(写真左)、両面発電シリーズ「DUOMAX Twin」(写真右)

もうひとつの両面発電シリーズは、表面だけでなく裏面からも受光が可能なモジュールで、 5%から30%程度の発電量アップが見込まれるという。特に、雪原や水面など反射光が得られやすい環境では高い発電量が期待できる。

日本市場に適した高効率モジュールがメガソーラーや自家消費用にも拡充

トリナ・ソーラーは2018年末までに累計40GWの太陽電池モジュールを世界各地に出荷し、世界市場シェアの10%以上を獲得している。

高効率シリーズ「Honey」「TALLMAX」(写真左)、美観シリーズ「Honey Black M」(写真右)
高効率シリーズ「Honey」「TALLMAX」(写真左)、美観シリーズ「Honey Black M」(写真右)

「我々メーカーは常にモジュールの高出力化を目指すことが使命であり、開発に終わりはありません。特に日本市場では限られた面積で発電効率を上げ、いかに発電量を増やすかが最大の課題です。すでにコスト面で要求の厳しいメガソーラーでも両面ガラスモジュールの採用実績を積み重ねていますし、認定案件のパネル変更も可能となったので、出荷量を伸ばすチャンスと捉えています。また「RE100」が世界の潮流となるなか、法人のお客様の自家消費ニーズも高まり、引き合いが多く寄せられています」と鹿野氏は今後の日本市場に期待を寄せる。

新シリーズではセル数が120(60×2)と144(72×2)のもの、単結晶と多結晶、MBBと5本バスバータイプ、両面ガラスモジュールではフレームのあるもの、ないものなど、多くのバリエーションを用意している。鹿野氏は「新シリーズはひとつの技術ではなく、複数の技術を組み合わせ統合することで、高効率で付加価値の高いモジュールを実現しました。用途や規模、コストなどに合わせて、最適なモジュールを選んでいただきたい」と話す。

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