電力コントロールが必須の時代、成否を決めるのはパワコン

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設立1年弱で再エネ発電所のリスクを未然に防ぐ予防保全型O&Mの分野において実績をあげている『オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント』。エネルギー効率の最大化を図る同社の戦略責任者である百合田 和久氏に、オリックスが太陽光発電の要となるパワコンにファーウェイの分散型を採用したその経緯と今後の展望について話を聞いた。

これからは電力をコントロールしていく時代

オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント株式会社 戦略責任者 百合田和久氏
オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント株式会社
戦略責任者 百合田 和久氏

これまで太陽光発電事業をはじめ、地熱・風力・バイオマスなどの再エネを利用した発電事業を積極的に進めてきたオリックス。そこで培った知見をベースに発電所の運営・管理・保守事業を展開する会社として設立されたのが、『オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント』だ。

改正FIT法によって義務化された太陽光発電設備のO&M。その重要性が増している一方、まだ産業としての歴史が浅く、課題も多く残る。オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメントは『予防保全の欠如』がその一つであると認識し、発電所のリスクを未然に防ぐ予防保全型の保守点検業務を実施し成果をあげている。劣化率を予測し、包括的なO&Mを実施することで劣化の要因を低減させるというのが、その特長的な取り組みの一つだ。

「発電所は何もしなければ劣化していく」そう話す同社 戦略責任者の百合田和久氏はある発電所で試験的に行った取り組みを次のように説明する。「運転開始からの2年間で事業計画上のPR値を下回り続けていた発電所において、3ヶ月間にわたりO&Mをフルセットで実施したところ、事業計画上のPR値へ復旧し、計画で設定した経年劣化率以下にすることに成功しました。これと同様の取り組みをオリックスが保有する全国84ヵ所の発電所で展開し、エネルギー効率の最大化を図っていく方針です」

「これからはエネルギー量をコントロールしていかなければならない時代になっていく」とする百合田氏。太陽光電源も他の成熟した電源と同様にいつ何ワットの電気が欲しいというニーズに対して応えられる電源になることが、基幹電源となっていく条件であると語る。ここで重要になるのが、過去のトラックデータと運営力。企業側の稼働状況に合わせた電力コントロールを行うためには、遠隔監視やデータ分析による発電状況の見える化に基づき、オペレーションを行う事がカギとなる。こうした運営方法は障害が発生した際の迅速な対応にもつながるなど、発電ロスの最小化を実現する。

ターゲット市場に合わせたスペックが決め手

今後よりシビアに求められることになる『電力コントロール』において欠かせないのが、発電所にとって人間の『頭脳』に相当するパワコンだ。「再エネはまだ始まったばかりの電源なので、これからあらゆることを系統側や社会側から要求されることになると思います。そのニーズに応えるうえでカギとなるのが、パワコンです」と百合田氏は語る。

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