電力コントロールが必須の時代、成否を決めるのはパワコン(2ページ目)

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そのキーディバイスのサプライヤーとして、オリックスがポートフォリオに加えたのが、中核事業である情報インフラの技術を応用してパワコンを開発、その出荷は3年連続世界1位を誇る『ファーウェイ』である。昨年、オリックスが着工したOR山口美祢ソーラー発電所発電所(最大出力56.4MWのメガソーラー)にも同社パワコンを採用(集中型PCSとの併用:使用比率は50/50)した。

OR山口美弥ソーラー発電所 \出力規模:56,422kW(予定)運行開始時期:2021年10月(予定)
OR山口美弥ソーラー発電所(完成イメージ)
出力規模:56,422kW(予定)
運行開始時期:2021年10月(予定)

オリックスは2014年から分散型パワコンの導入を検討。その最大の理由として、アップタイムのコントロールと故障による収益影響の最小化を挙げる。

「たとえば、2メガで想定して99%のアップタイムを狙ったときに、ファーウェイのパワコンだと発電所に40セット設置することになります。これが集中型だと2セット。ダウンタイムを99%から逆算していくと、極端にいえば買った台数の75%が1年で壊れても分散型の場合は、影響範囲が限定されており、復旧に数日しか所要しないため、99%のアップタイムを確保できるのです。一方、集中型で99%のアップタイムを狙おうとしたら年間7日間しかダウンできない。分散型の方が管理しやすく、また高い稼働率が期待できます」と百合田氏。

分散型の導入を決めた同社が、そのパートナーとしてファーウェイを選んだ決め手は「ターゲットとなる市場・地域別に合わせたスペック」だったという。系統要件は国によって異なり、日本では力率対応が多く、最大電圧の制限を多く受けてしまう。本要件に対応したスペック設定を行い、技術制約を解消できているのがファーウェイ製パワコンだ。「日本の系統のことを非常に良く勉強されている」と百合田氏は感心する。

また、その互換性も導入を決めた要因のひとつであると続ける。「互換性があるため、のちに新製品が出たとしても、それと旧型をつないで発電所をリ・パワリングすることができます」

実際の発電所におけるパフォーマンスについて尋ねると、「場所によって系統が異なるため一概には言えないが、すべての発電所のパフォーマンスを比較すると、年間を通じて上位を占めているのはパワコンがファーウェイの発電所であることが多い」とその性能も認めている。

長期的な視点でのO&Mが収益最大化のカギ

電力分散型の時代において、日本では『情報の非対称性』が大きな課題となる。「系統要件を始めとした様々な技術要件に対する理解が浅く、EPC側の技術者にすべてを任せてしまっているO&M事業者も少なくありません。建設側とO&M側が、コミュニケーションができていないことが多い。健全な発電所を運営していくためには、EPC事業者やメーカー側の知見と運営側の視点を融合し、建設段階から賢明な準備をしていかなければならない」とO&M事業に風穴を開け、長期的な視点で収益の最大化を図っていく姿勢を強調する。

それに応えてくれるパートナーとして、選ばれたファーウェイ。百合田氏は「今後はいま以上に現地法人や現場に権限や裁量権を与えて生産性を上げていってもらいたい。そうすることで、同社の革新性やカスタマーファーストの精神がより活きてくるはずです」とその柔軟な対応力に期待を寄せた。

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