太陽光発電所で相次ぐ盗難被害の現状と対策

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太陽光発電所でケーブルやパネルの盗難被害が絶えない。盗難は資材の損失や修理費用が発生するだけでなく、根幹の事業収益である売電収入にまで影響する恐れがある。このような被害を防ぐひとつの手段として監視カメラの設置を検討する事業者が増えている。盗難の防止はもちろんのこと、24時間365日、現地の発電所をカメラで目視確認することで、適切なタイミングでの除草・除雪作業やO&M業務を促し、かかる人件費の削減にもつながる。

発電所における盗難被害と損害額と、それに対する効果的な対策についての詳しい資料を公開しています。こちら、もしくは文末より資料ダウンロードできます。

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1,000万円超の被害も頻発

産業用太陽光発電所で、送電ケーブル(以下、ケーブル)や太陽光パネル(以下、パネル)などが盗まれるケースが、全国各地で発生している。最近では、栃木県の太陽光発電施設建設現場で、パネル約1,700枚(被害額は約2226万円)が盗難被害にあっている。

2012年7月にFIT制度がスタートして以来、太陽光関連施設で数十件以上の盗難事件が発生している。たとえば2014年9月~10月の間、滋賀県内でケーブル盗難事件が連続して発生。被害が大きいものでは、ケーブル4,200m(約1300万円)が盗まれている。そのほか、2014年12月、茨城県太子町でパネル531枚、2015年11月、福岡県田川市でケーブル4,000mと、甚大な被害を受けている。

盗難にあうのは施工中の発電施設だけとは限らない。稼働中の発電所も被害にあっている。盗難で狙われる品は銅線の転売を狙ったケーブルが最も多く、パネルや架台も狙われている。

なかでも、野立の太陽光発電所、特にメガソーラーは無人で付近に人家や人通りがない立地が多く、しかも敷地が広いので、盗難を防止することが難しい。しかも侵入する時間帯は発電が停止している夜間が多い。

もし太陽光発電施設に不審者が侵入し、ケーブルやパネルが盗まれたり、破損されることがあれば、修理費用や新たなケーブル、パネル等の購入費の負担が発生する。そのうえ、稼働中の案件であれば、修理が終了するまでの期間、発電が停止されるので売電収益も得られない。あるいは遠隔監視システムがない発電所であれば、点検時まで長期間にわたり盗難に気付く機会がない恐れもある。いずれにしても、発電事業者にとっては当初の投資回収計画に狂いが生じかねない事態だ。

盗難被害対策には監視カメラ導入が有効

それでは相次ぐ太陽光発電所の盗難被害を食い止めるには、どのような対策があるのか。ひとつはこまめに巡回することだが、これには手間や人件費がかかる。発電所が山奥にある場合などでは、夜間に巡回することは不可能であろう。

発電所の盗難防止対策として効果を発揮する監視カメラ
発電所の盗難防止対策として効果を発揮する監視カメラ

そうした遠隔に立地する発電所の盗難防止対策として、効果的な手段が監視カメラの導入だ。しかも夜間であっても侵入などの異常を検知する赤外線監視カメラが有効である。現在、PC、スマホなど端末を通じて24時間365日リアルタイムで映像を確認でき、データを保存できる遠隔監視カメラシステムも登場している。

万が一盗難の被害にあっても、監視カメラの映像から犯人を特定できる。さらに『防犯カメラ作動中』などと注意喚起しておけば、盗難に対する抑止力にもなる。監視カメラを設置しているだけで、窃盗犯の心理にブレーキがかかり、盗難を抑止する効果があるからだ。

さらにもうひとつ盗難被害対策として、盗難補償保険への加入が考えられる。しかし、盗難補償は盗難を防止するものではない。

太陽光発電

再生可能エネルギー発電事業を手掛けるA社は、2019年2月時点で45カ所の太陽光発電所を運用している(全設備容量124MW)。同社はすべての発電所に監視カメラを導入した。同社社長は「当然、盗難保険には入っていますが、盗難保険を利用すると保険金額が上昇します。発生後に保険で対応すればよいというわけではありません」と、未然に盗難を防ぐ効果もある監視カメラ設置の必要性を強調する。

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