自家消費型に注目集まる太陽光発電、効率を最大化するパワコンとは?

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ファーウェイと荏原商事は2019年9月24日、太陽光発電関連セミナーを共同で開催した。セミナーでは、ファーウェイによる新製品の発表のほか、自家消費型の太陽光発電システムを手がける荏原商事が、ファーウェイ社ソリューションを採用する事業者の視点から、同社製品を評価した。卒FITから自家消費へと移行する太陽光発電ビジネス。この時代を生き抜く、カギを探る。

卒FITに直面する2019年、LCOEの視点がより重要に

セミナーの冒頭、あいさつをする荏原商事 事業統括 エネルギーソリューション統括部 課長 上原 健太郎氏
セミナーの冒頭、あいさつをする荏原商事
事業統括
エネルギーソリューション統括部 課長
上原 健太郎氏

セミナーは、ファーウェイ・ジャパン スマートソーラー事業部 プロダクトマネージャー 杉原 正晃氏による太陽光発電市場動向の解説から始まった。

「太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)による買取価格は、年々、低下しています。2019年度から運用される太陽光発電の売電価格は、14円/kWhとなっています。これが次年度以降は10円/kWhになるとの予測や、現状のFIT制度ではなく、FIP(Feed-in Premium)制度に移行するのでは、という案も挙がっています。いずれにしても我々は今後、さらに低下していくものと予測しています」

太陽光発電事業者がマージンを高める方法としては、発電量を高めるか、CAPEX(設備投資)やOPEX(運用維持費)を減らしてコスト削減を図るかの2種類しかない。杉原氏は、卒FITを迎えるにあたり、LCOE(発電コスト)の重要性が増すと語った。LCOEとは、建設から運用、廃止まですべてのコストを、生涯発電量で割った発電原価のことである。

「LCOEでは、まずは発電量を増やすことが大切。それと同時に、イニシャルコストを抑えることも必要です。それに加え、弊社ではスマート化と呼んでいるO&Mの自動化や、壊れにくいといった高品質の製品を提供も重要となります。ファーウェイでは、高い発電量を維持しながら、コスト削減を図る一体型ソリューションをご提供しています。卒FITを迎えても、事業者の方たちをしっかりとサポートしてまいります」

同日はセミナー開催に合わせて、千葉県香取市にある太陽光発電設備(発電出力:960.0kW)の見学会も行われた
同日はセミナー開催に合わせて、千葉県香取市の太陽光発電設備(発電出力:960.0kW)見学会も行われた

過積載は300%以上、低圧向け単相パワコンに新製品

ファーウェイでは単相低圧向けパワコン4.95kWに新バージョンが加わった。最大の特徴は300%以上の過積載ができる点にある。

「パワコンでは、大は小を兼ねます。この製品は300%だけでなく、150%にも200%にも対応できる高い汎用性を持っています」(杉原氏)。

単相向けパワコン4.95kWの新製品(SUN2000-4.95KTL-JPL0)
単相向けパワコン4.95kWの新製品(SUN2000-4.95KTL-JPL0)
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