パワコン出荷100GWの実績で案件ごとに最適なソリューション提案

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『収益につながる環境経営と再エネ電源調達の進め方』をテーマに、2019年11月22日、29日に開催された『環境ビジネスフォーラム』。22日の東京開催では、パワコンの研究・開発、製造で世界有数のメーカーであるSUNGROWの日本法人、Sungrow Japanの代表・孫 瀟氏が講演。自家消費時代の到来が予想される日本市場へ向け、新製品のパワコンや、パッケージ型の蓄電システムなどを紹介した。

パワコン出荷量100GWを超える、専門メーカー

1997年、大学教授の曹仁賢氏が設立したSUNGROW。以来、22年間、太陽光発電のパワーコンディショナの研究・開発、製造に特化してきた専門メーカーだ。設立者が教授であることもあり、創業時から研究・開発にかなりの力を入れてきた。現在、全従業員は約4,000名だが、うち1,000名以上がR&Dに従事している。

Sungrow Japan株式会社 代表取締役 孫 瀟氏

Sungrow Japan株式会社 代表取締役 孫 瀟氏

事業内容は、太陽光パワーコンディショナ、再生可能エネルギー総合発電所、蓄電池システム、風力発電、EV、水上太陽光発電、スマートメンテナンスの大きく7分野。特に、蓄電池システムについては数年前から力を入れており、2015年には、優れた蓄電池技術を持つSamsung SDIとの合弁会社『Sungrow-Samsung SDI』を設立した。

2012年~2018年の年平均成長率は50%以上と、順調な成長を続けており、2018年の売上高は約1600億円。世界26拠点以上にオフィスを構え、パワコンの累計出荷実績は87GW以上、2019年の分を踏まえれば約100GWを超えていく見込みとなっている。なお100GWとは、世界のパワコンシェアのうち15%を占める数値。太陽光発電先進国のドイツにおいては、シェア25%を上回っている。また蓄電池システムについても、世界における累計プロジェクト数が800を超えている。

同社は、日本市場へは2006年に進出。2014年に日本法人としてSungrow Japanを設立し、パワーコンディショナ、蓄電池システム、水上発電フローティング製品など、大きく3分野で事業展開を進めている。

一体型システムで施工の効率化も実現

図1

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今回の『環境ビジネスフォーラム』では、Sungrow Japanの代表・孫 瀟氏が、集中型パワコン、分散型パワコン、蓄電池システムの3領域における新製品を紹介した。

「集中型パワコン事業の軸は、一体型ソリューションの提案です」と孫氏は述べる。

集中型では、メガソーラーソリューションとして3.4MWの『SG3400HV-MV』を紹介。パワコン単体ではなく、周辺機器も一体型のシステムにすることで、施工の効率化、設置費用や時間の削減などを実現。また、すべての主要部品を前面に配置したり、各入力にヒューズを装着することで、メンテナンスの効率化にも配慮している。

図2

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「3.4MWのパワコンは、国内最大級のサイズです。3台導入することで10メガ以上の発電所を構築することも可能です」(孫氏)。

分散型では、100kWの新製品『SG100CX』を紹介。この製品について孫氏は、「国内にはメガソーラーの適地が少なくなっており、山や丘など、平坦ではない土地への太陽光発電の建設ニーズが高くなっています。こうした土地では、軽量で場所をとらない分散型パワコンを複数設置するのが現実的です」と日本市場投入の背景を説明する。

図3

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なお、この『SG100CX』は複数台を一カ所に集めて設置することができ、集中型と分散型のメリットを合わせもつパワコンといえる。省スペースで施工しやすく、MPPT(最大電力点追従機能)12回路、ストリング入力24回路を備え、きめ細やかな制御を可能にし、発電ロスを極力抑える。

「日本では今後、自家消費が増えることが予測されますが、『SG100CX』なら、自家消費にも対応できます。また、近年増加傾向にある両面パネルなどの高い入力電力に対しても対応できます」(孫氏)。

【Sungrow Japan講演資料はこちら】
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