丸紅、三方良しの総合力(2ページ目)

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ゼロ円設置モデル

丸紅のエネルギートータルソリューションの新たな核となるのが、全社横連携による初期投資・メンテナンスコスト『ゼロ』の地産地消型太陽光発電である。資金面やノウハウなどにおける懸念から最初の一歩が踏み出せない企業も決して少なくないだろう。企業の屋根を丸紅が賃貸、太陽光を設置・保有・運営し、発電した再エネ電気をその貸主の企業に安価で提供する。初期費用の大きさを理由に導入を躊躇していた企業には嬉しいソリューションだ。

一方、地域に密着したビジネス展開も進めている。長野県伊那市では、国内電力プロジェクト部が手掛ける地域新電力『丸紅伊那みらいでんき』を設立し、エネルギーを通じたまちづくりだけでなく、地域の課題にもフォーカスしながら行政の手の届かないところまで地域に貢献していく計画だ。

このような自立分散型・地産地消のエネルギーシステムの構築に関心を抱く自治体も多く、福井県美浜町や横浜市でも協定の話が進んでおり、沖縄の宮古島では既に実証実験を開始している。

活かされる海外ネットワーク

丸紅 化学品第四部 エレクトロニクス第一課 高橋 僚 氏
丸紅 化学品第四部
エレクトロニクス第一課
高橋 僚 氏

需要は海外でも本格化している。投資家やEPCのアレンジをはじめ、ファイナンスや法規制に関する情報提供など多角的な支援を行っている。近年、国内で実績をあげてきた施工会社や発電事業者が、再エネ需要が急速に拡大する東南アジアや中南米を中心とした海外への進出が増えているためだ。しかし、海外進出は国内とは異なる様々な課題や障壁がある。「システム部材の調達や物流、与信管理、ファイナンス、法規制との適合性判断など、多様なノウハウの提供を行っています」と高橋氏。大型太陽光だけでなく、中小規模のプロジェクトにおいても各国の市場に合わせた事業を支援する。

丸紅 化学品第四部 エレクトロニクス第一課長 林 高史 氏
丸紅 化学品第四部
エレクトロニクス第一課長
林 高史 氏

こういったバックアップ体制で構築したサービスネットワークが、現地日系企業の自社工場の屋根や敷地内に太陽光発電設備を設置する丸紅のソリューションに繋がっている。現地の法規制や電力事情に精通しているのも総合商社ならではの特筆するところだ。たとえば、ベトナムはこの1~2年で太陽光発電設備導入量が1GWを超えるといわれており有力市場として注目が集まるが、実際はインフラが整っておらず電力供給は不安定な状況にある。「瞬間的な停電が発生するようで、同国で操業を行う日系企業から生産への影響が出ないよう対策が必須であるという話をよく聞きます」と課長の林氏は話す。

そして、海外展開において最大の強みとなるのが、このネットワークを活かした現地完結型供給・施工体制である。海外で操業を行う日系企業が脱炭素経営の観点から地産地消型太陽光発電を検討する動きがあるなかでジャパンクオリティを求める企業に、プロジェクト全体を網羅する最適なプランを提供する。「脱炭素経営に取り組むものの、誰にコンタクトを取ったらいいか、どこから始めたらいいかわからないと悩んでいる企業が、『まずは丸紅に相談してみよう』と思えるような包括的ソリューションを提案できる企業でありたい」と山本氏。ユーザーに寄り添ったソリューションを提供する。

【丸紅が提供する「環境ソリューション」はこちらから】 丸紅の提案スキーム Global One-Stop Service
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