鉛バッテリー再生で8年→15年まで長寿命化 運用コストが半減

  • 印刷
  • 共有

静岡市に本社を置き、全国60ヵ所で建設・産業用機械や車両のレンタル事業を展開するレント(売上高338億9500万円、従業員数963名※ともに2019年5月期)。総合レンタル企業として発展を遂げてきたが、新事業として機械・設備運用の大幅なコスト削減に貢献する鉛バッテリーの再生事業に取り組んでいる。

自社でBRS技術を内製運用、コスト削減効果を実感

株式会社レント 常務取締役営業本部 本部長 鷲巣 寿昭氏
株式会社レント
常務取締役営業本部
本部長 鷲巣 寿昭氏

『バッテリーの再生』(BRS:Battery Reuse System)という革新的な技術を提供するレント。産業機械のレンタル事業を通じて企業の環境負荷低減やコスト削減に寄与している同社が、バッテリー再生技術(BRS技術)に出会ったのは2005年。

自社で取り扱うレンタル用のフォークリフトや設備のバッテリーコストを削減する方法として株式会社BRSが提供する同技術に目を付け、業務提携を締結した。2006年からは同社代理店として内製運用と外販を開始し、2016年にはB.R.S.を系列化。株式会社BRSは技術開発に特化し、営業販売活動は親会社であるレントが主体となり、グループ全体で事業を担うこととなった。

「実際、自社のレンタル用産業機械や車両のバッテリーを再生することで、毎年買い替えにかかっていた数億円の費用削減に成功。当社自身がBRS技術の恩恵を受けた経験から、自信を持ってお客様にサービスを提供できます」と常務取締役営業本部長の鷲巣寿昭氏は話す。

近年では非常用バッテリーのトータルサポートおよびフォークリフトやAGVバッテリーの運用活用という2つの分野に特化して事業を本格化。営業拠点や代理店を拡充し、約300名の営業体制で全国規模のネットワークを構築し、他社との差別化を図っている。

唯一無二のバッテリー再生技術 BRS (バッテリーリユースシステム)

万全なバッテリー管理体制構築で保守・整備業務の生産性向上

そもそもバッテリーは充放電回数や時間の経過とともに劣化していくもの。特許技術であるBRSは、劣化したバッテリーに一定のパルス電流を加え、化学反応を起こすことで蓄電能力を回復させるものである。非常用バッテリーの場合、同技術の活用により、従来8年で買い替えていたバッテリーを15年程度まで寿命延長させることが可能になり、コスト削減や廃棄物削減による環境負荷低減などにもつながる。

新品への取り替え(買い替え費用+古くなったバッテリーの処理費用)に比べ約半分の費用で再生できるため、大幅なコスト削減が可能だ。

コストカット
画像クリックで拡大

バッテリーの再生前に劣化状態を数値で把握できるのも同技術だけの特長である。セル単位で容量検査を実施し、その結果に基づいてそのまま使うか再生するか個体ごと・セル単位で提案可能なため、バッテリーの状態に基づいた無駄のない更新措置を施すことができる。「事前に評価試験を行うことで、まだ使用可能なのに再生してしまう、買い替えてしまうというような無駄なプロセスやコストを省くことができる」と鷲巣氏。

また、再生後も定期診断を行いバッテリーの状態を管理するなど手厚いサービスを提供し、最適な再生措置または交換対応を行っている。こうした適切な期限管理により、急なバッテリーロスによるトラブル防止、設備更新計画の最適化、点検作業工数の省力化などに寄与。万全なバッテリー管理体制構築で保守・整備業務の生産性向上を実現する。

さらに、この定期診断には3年保証をはじめとした安心のサポート体制を構築。「再生後、保証期間中に万が一バッテリーがダメになったとしても、我々の責任で交換を行い、使用できなくなったバッテリーはは有価で引き取りを行います。廃棄する場合はマニフェストが必要ですが、こうした再生プロセスにはマニフェストが不要で事務作業工数が減らせます。長期に亘りバッテリーの状態を観察しながら適宜サポートを提供し、企業の担当者様の負担を軽減できることが、我々の強みです」と鷲巣氏は独自のサービスについて力説した。

国内外図版
画像クリックで拡大
【レントのバッテリー再生に関して】
お問い合わせ

次ページ → 6年目以降のコスト90%削減例も

この記事にリアクションして1ポイント!(※300ポイントで有料記事が1本読めます)