「屋根が狭い、隣接する土地がない」工場施設で太陽光発電活用する新たな方法(2ページ目)

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初期投資ゼロで再エネ電気を使用できる『PPAモデル』

さらに初期投資に潤沢な資金を投入することが難しい企業は、初期投資ゼロで再エネ電気を使うことができる自家消費型太陽光のPPAモデルを選択することもできる。

PPAモデルは自社の工場・施設などの屋根上に第三者の資金で太陽光発電設備を設置。設備所有者との間で電力購入契約を結ぶことで、初期投資やメンテナンス費用が不要なだけでなく、資産を保有することなく太陽光発電の電気を使用することができる。

「ESG投資等で非財務情報の開示が求められるなか、再エネ電気を使用していることは企業価値の向上につながります。そのうえ、PPAは固定単価で長期の電力購入契約を結ぶので、再エネ賦課金の上昇リスクもなく長期で電力料金を削減できます」と岸田氏。

なお設置条件は新耐震基準建物であることが必須で、原則高さ15m以下、屋根面積は1000平方メートル以上が望ましいとのこと。エコスタイルでは関西電力、SMFLみらいパートナーズと提携。2社が設置する太陽光発電の出資をする。

『自己託送モデル』に不可欠な計画値同時同量は高度な技術

さらに自家消費型太陽光設備を設置する屋根が狭い、隣接する土地がないというケースでは『自己託送モデル』が有効だ。

自己託送とは遠隔地に設置した太陽光発電の電気を電力会社の送配電ネットワークを利用し、自社の工場やビルに供給すること。ただし、自己託送には電力会社と接続供給兼基本契約と発電量調整供給契約を結ぶ必要があり、締結のための審査もある。

岸田氏によれば「太陽光発電のような自然変動電源のみを利用した自己託送の場合は、発電計画と発電実績を30分単位で一致させる『計画値同時同量制度』への適合が求められます。さらに不足分を供給する小売事業者には自己託送による予測した供給量を通告する必要もあります」とのこと。つまり、高度な発電予測技術が欠かせないのだ。

太陽光発電では、天候によって発電量が変動。前日の天気予報と当日天気が異なることも多く、インバランスリスクが高い。リスク低減には精緻な発電量予測が求められる
太陽光発電では、天候によって発電量が変動。
前日の天気予報と当日天気が異なることも多く、インバランスリスクが高い。
リスク低減には精緻な発電量予測が求められる
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同社はこうした自己託送モデルに対し、全国の土地付太陽光発電所の開発から自己託送を利用するための発電予測や送配電事業者との協議、小売電気事業者との調整、さらには発電計画の作成代行までトータルでサポートすることができる。

今年度末までに系統連系で、即時償却も可能

なお自家消費型太陽光発電は今年度(2020年度)末までに系統連系すれば、『中小企業等経営強化法』に基づき即時償却や税額控除などの優遇措置を受けることが可能となる。例えば今期3,000万円の利益計上を予定し、2,080万円の太陽光発電システム(低圧80kW×2基)を導入した場合、2,080万円(即時償却額)×30%(法人税率)=624万円の節税効果が得られるという。

岸田氏は「自家消費型太陽光発電は環境経営とコスト削減の両立を達成する手段です。『PPAモデル』『自己託送モデル』を含め、当社の蓄積してきた高度な技術ノウハウを是非、ご活用いただきたい」とアピールした。

(注)
・PPAでの「初期投資」とは本システム導入に関する施工関連費用(工事代金、機器代金、設計技術費用等)を指します。また契約金額に応じた印紙や切手など契約締結に係る諸費用は別途必要です。
・記事にあります発電量はシミュレーショに基づくものです。太陽光発電の発電量は場所や向きなど設置条件によって異なります。
・中小企業等経営強化税制の適用には条件があります。節税になるのは即時償却した当期のみで、耐⽤年数期間のトータルの税額が減少するものではありません。

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