公共工事の落とし穴ー解体・改修工事の有害物質飛散のリスクを見抜け

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高度成長時代に建てられた社会インフラや民間ビルが老朽化し、建設トレンドはそうした施設のメンテナンス・補修に移行している。しかし、インフラ・施設の解体・改修工事には有害物質によるリスクがつきもの。建設機器・産業機器のレンタル大手のレントが官民、建設業等事業者へ、集塵廃棄装置など有害物質対策の最適なソリューションサービスを提案する。

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激増する社会インフラ改修、有害物質のばく露・飛散リスクが高まる

建設ラッシュに沸いた高度成長経済時代から50年が経過し、老朽化した道路、公共施設などの社会インフラや古い民間の建物の解体・改修工事が激増している。例えば、国土交通省によると2023年には道路橋(約73万橋)の約39%、2033年には約63%が建設後50年を迎える。また、2023年の道路橋の維持管理・更新費だけでも、2.1~2.2兆円が見積もられるという(2018年11月末推計)。

画像はイメージです(出所:レント資料)

画像はイメージです(出所:レント資料)

こうした社会インフラや建物の更新・改修需要の拡大には、リスクも伴う。建設当時の建材や塗料、吹き付け材などに含有されていたアスベスト、鉛などの有害物質が飛散し、周辺環境を汚染したり、作業員の健康を損なう恐れがあるからだ。例えばアスベストは吸い込むと中皮腫や肺がんを引き起こす恐れがある。

これに対し、法整備も進んでいる。アスベストの場合、厚労省は発塵性が比較的低い『レベル3建材』の除去作業でも飛散・ばく露防止対策の対象とするなど、規制強化がなされている。さらに、2020年度には解体や改修工事などでの労働基準監督署への事前の届け出が法制化され、届け出件数が従来の1万3,000件から200万件超に増えると試算されている(朝日新聞2019年12月3日付報道)。

また鉛では2014年5月、厚労省が鉛を含有する塗料のかき落とし作業等で「労働者の健康障害防止について」の通達を出し、「除去作業を湿式で行なうこと」を求めている。

周辺地域や環境を守る「飛散防止」 作業者の安全を守る「ばく露防止」
 主務省庁:環境省ほか  主務省庁:厚労省ほか
【法律】 大気汚染防止法
【法律】 廃棄物処理法
【法律】 ダイオキシン類対策特別措置法
【法律】 PCB処理特別措置法
【法律】 労働安全衛生法

【省令】 特定化学物質障害予防規則(特化則)
【省令】 鉛中毒予防規則(鉛則)
【省令】 石綿障害予防規則(石綿則)

【通達】 鉛有毒物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業
 における労働者の健康障害防止について
【通達】 PCB廃棄物の処理作業等における安全衛生対策について
【通達】 石綿飛散漏洩防止徹底対策マニュアル
※2020年改訂見込み。事前調査結果の届出体制が強化される
【通達】 廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱

レント資料より抜粋

鉛の現場は施工業者まで意識浸透が今後の課題

近年、道路橋の塗料のかき落とし作業の現場では、作業員への対策が徹底されず「鉛中毒」を発症するケースが出ている。鉛中毒とは、鉛が体内に蓄積されることで手足のしびれや筋肉のけいれんなどが起こるもので、重症の場合は死に至る危険性もある。

鉛は、1990年頃までは道路や鉄道の橋桁などに鉄の錆止めとして塗料に含まれて使用されていた。現在は使用が禁止されているが、当時つくられた構造物の老朽化が進み、改修需要が増加するに伴い、2030年頃をピークに飛散・ばく露のリスクが高まっているのだ。

前項でふれた2014年の通達を契機に、企業や自治体の認識が徐々に高まっているものの、現段階では、施工を請け負う業者まで充分に浸透していない実態があるようだ。

年6,000件以上寄せられる有害物質対策への相談・問い合わせ

レントの営業部環境商品担当部長代理 髙木 新吾氏は、有害物質に関わる約1万件の工事現場に立ち会い経験を持つが、「工事開始後はじめて有害物質が見つかり、入札後に自治体が除去費用の追加予算を組むケースも多々見られる」という。「今後は、施工計画段階から有害物の含有に関する調査をおこなうケースが増えると思われるが、レントとしては、有害物のリスクと法規制の現状を広くご案内し、有害物質が含まれる現場であったとしても、それを解決しうるレンタルサービスをご提案することによって、現場の安全確保に貢献したい」と話す。

建設機械・産業機械のレンタルサービス大手の同社では、有害物質が飛散する恐れがある官民、建設業等事業者などが手掛ける600現場を対象に、集塵廃棄装置など「有害物質対策機械」を約1,500台提供している。また、全国60営業所に環境商品担当スタッフを配しており、有害物質対策に関して年間6,000件以上の相談が寄せられているという。

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