2021年度『需給調整市場』の創設 VPPビジネスの商機とは

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NECはVPP事業を検討する事業者向けに、IoT/ICTを活用するEnergy Resource Aggregationクラウドサービスをスタート。これにより事業者は需要家側にある複数のエネルギー設備をディマンドリスポンス(DR)指令に対応して制御・最適化し、2021年度に創設される需給調整市場の取り引きに参入できるようになる。

「Energy Resource Aggregationクラウドサービス」の詳細について、環境ビジネスオンライン限定で無料公開しています。こちら、もしくは文末より資料ダウンロードできます。

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電力市場に異業種からの参入も可能に

2021年度には『需給調整市場』が立ち上がり、いよいよ日本でも本格的なVPPビジネスの商用化が始まる。

NECは経済産業省の助成事業『バーチャルパワープラント(VPP)構築実証事業』に初年度の2016年よりアグリゲーションコーディネーター(AC)として、また2019年度はリソースアグリゲーター(RA)としても参画している。RA事業者はAC事業者から受けた指令に従い、需要家(企業、家庭等)側のエネルギーリソースを制御し、調整力(電力量)として束ねる。AC事業者はRA事業者が制御した調整力を送配電事業者との間で取り引きし、その対価がRA事業者を経由して需要家に流れる。2020年度の実証事業にはAC事業者10社、RA事業者約80社が参加した。

VPP構築実証事業のスキーム

VPP構築実証事業のスキーム

日本電気株式会社 第二都市インフラソリューション事業部 VPP事業統括 シニアエキスパート 田村 徹也 氏
日本電気株式会社
第二都市インフラソリューション事業部
VPP事業統括 シニアエキスパート
田村 徹也 氏

こうしたVPP実証から得た知見と長年にわたるエネルギーマネジメント事業で培ってきた技術・ノウハウをもとに、同社は『NEC Energy Resource Aggregationクラウドサービス』を開発。2019年夏から、実証事業に参画するRA事業者のサニックスなどにサービスを提供している。

同社第二都市インフラソリューション事業部 VPP事業統括 シニアエキスパートの田村 徹也氏は「現在は火力発電が主流の調整力に、いずれ需要家側にある分散電源が使われる時が来ます。需給調整市場での取り引きが始まると、分散電源を活用しDRによる調整力も取り引きが可能となるため、2014年頃から本格的に分散電源を調整力として使うしくみづくりに取り組んできました。RAクラウドサービスは需要家側にある分散電源をICTで束ねて統合制御しあたかもひとつの発電所(VPP)のように扱うことで、需給調整市場に調整力として提供するまでのしくみを当社のクラウド基盤上で提供するサービスです。従来、電力市場に参入経験がない異業種の事業者の方も、このサービスを活用することで取り引きに参加することができます」と話す。

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