総合リゾートのリソルグループ再エネ使用率90%に 太陽光発電を自己託送(2ページ目)
「FITに頼らない」地産地消エネルギーシステム
両者の協業例でもう一つ特筆すべき事例がある。4月から稼働している『Sport & Do Resort リソルの森』で構築された地産地消エネルギーシステムだ。国内では初となる取り組みで、太陽光発電所で発電される電力を、新設した地中埋設自営線での引き込みと域内の既存電力ネットワーク系統を活用し、隣接するリゾート施設に送電。敷地内で全量を地産地消化しているのが特徴だ。

千葉県長柄町に位置する太陽光発電活用の「地産地消エネルギーシステム」では、ファーウェイのパワコン(SUN2000-40KTL-JP)が25台導入されている
千葉県長柄町に位置するこの発電所とリゾート施設は、ホテル、グランピングエリア、ゴルフ場、テニスコートなど各種スポーツ設備、レジャー設備だけでなく、クリニックや住宅等も有する面積330万平方メートルの広大なコミュニティ。地域の特性を活かし、「再エネを面的に使う」先導的な郊外型プレミアムグリッドが構築・実践されている(図)。

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鍵となるのが高度なエネルギーマネジメントシステム。コミュニティには多様な施設が点在しているため、建物各々に導入された設備機器をエリア全体でコントロールし「地産」の再エネを面的に活用して「地消」する必要がある。それに対応するために、刻々と変動する発電量と蓄電池に蓄えられた電力量を掌握しつつ、気象予測データや利用者・生活者の行動から翌日の需要予測データも取得。電力総需要予測を算出し統制するしくみをつくりあげた。
4月の発電システム稼働で、まずはトレーニング施設『メディカルトレーニングセンター』とゴルフ場クラブハウスの消費電力の30%超が賄われた。大幅なCO2排出削減と光熱費削減を実現する「持続可能な複合リゾートエリア」が創造された形だ。
全国で再生可能エネルギーが急速に普及し、系統接続容量・賦課金単価の増加などが課題になっていくなか、注目を集めるエネルギーの地産地消モデル。既存の電力ネットワークと地産地消システムの相互協調でコストを抑えた、リソルの森の新たな地産地消モデルは、地域の低炭素化にもつながると期待される。
リソルグループとファーウェイは、この取り組みを通してノウハウを蓄積し、汎用性の高いパッケージを構築。長期的には、FIT制度に頼らない、郊外地域での新たな地産地消型再エネモデルを創出してく構えだ。
リソルグループは、自家消費型太陽光発電の開発、地産地消エネルギー開発にさらに力を入れていくとしている。これら事業に最適なソリューションを提供できるファーウェイとの事業提携を強化し、引き続き日本の再エネ市場と事業を通じたSDGs達成に向けた貢献を続けていく。

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