顧客目線追求のLooop、住宅用蓄電池「エネブロック」発売

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再生可能エネルギー事業を手掛けるLooop(東京都台東区)は10月1日、住宅用蓄電システムの新モデル「エネブロック」を発売。同社が掲げるスローガン、「エネルギーフリー社会の実現」のもと、容量と設置場所を自由に選べる屋内型・コンパクト設計で、蓄電システムに新たな可能性を示す。

住宅ビルダーや訪問販売の事業者は、細分化する消費者ニーズに応えることで、卒FIT後に新たに発生する需要やこれから太陽光発電の導入を考える顧客に対して、自在に蓄電システムを提供することが可能となる。

汎用性が高い住宅用蓄電システム

屋内設置型で場所を取らないコンパクト設計、太陽光発電の余剰電力に合わせて容量選択が可能な住宅用蓄電システム「エネブロック」。再生可能エネルギーを中心としたエネルギーサービス事業を手掛ける株式会社Looopが10月1日から販売開始した新製品だ。スマートライフ事業部 企画開発課 企画チーム 主任の坂井 亮平氏は、開発コンセプトについて「各家庭で電気の使用方法や使用量、発電量、求める機能は違うもの。エンドユーザーのニーズに合わせながら、蓄電システムをブロックのように上手く組み合わせて使ってもらいたいとの想いから同商品を開発しました。また、近年多発している甚大な自然災害の被害をブロックするという意味合いも込められています」と話す。

Looop スマートライフ事業部 企画開発課 企画チーム 主任 坂井 亮平氏
Looop スマートライフ事業部
企画開発課 企画チーム 主任
坂井 亮平氏

設計段階で最も重視したのが「実用性」だ。より多くのエンドユーザーに選ばれる製品を目指した。「余計な機能はそぎ落とし、価格を下げる必要がありました。従来の屋外設置型の場合、外部環境から製品を守るためにさまざまな機能が必要になる。屋内であれば気温もある程度一定ですし、塩害の影響を受けることもない。こうした理由から『屋内設置型』というのが開発の軸になりました。さらに『家の中で邪魔にならない、いろいろな場所に置ける』ことを前提に設計を行いました」(坂井氏)。

同社の従来製品である家庭用蓄電池「Looopでんち」のように、需要予測を行うAI機能は搭載されておらず、余剰分を溜めるだけのシンプルな作りだが、その分安価で希望小売価格は9.6kWh(蓄電ユニット4台仕様)238万円。また、電気が不足すると放電する仕組みになっているので、時間帯別料金プランで契約している世帯においては、結果的に昼間や夕方の高い電気代のタイミングで放電することとなり経済メリットが高くなる。

各家庭のシステム構成に合わせて最適な蓄電容量を提案

このように汎用性の高い同蓄電システムの最大の特長となるのが、太陽光発電設備に合わせて、その容量を選択できることだ。従来の蓄電池は容量が固定されているタイプが多く、同社がこれまで提供してきた「Looopでんち」も4kWhのみ。一方、「エネブロック」は最小蓄電容量が2.4kWhであり、余剰電力に合わせて細やかな容量設計が可能。各家庭のシステム構成に対して最適な蓄電容量を提案でき、過剰容量による余計なコストを回避できる。一度設置した後でも最大14.4kWhまで追加工事不要で連結することもできる。「家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応できますし、停電に備えて蓄電容量を増やしたいというニーズにも応えられる。また、万が一故障した場合でも2.4kWhのユニットごとに交換可能なので、最小限のコストで対応することができます」と坂井氏はそのメリットを話す。

DCコントローラー
DCコントローラー

「場所を取らないコンパクトな設計」も、その特長の1つだ。横44㎝、縦9㎝、奥行き41㎝と「Looopでんち」に比べ体積を従来比で約3割に抑えており、クローゼット内や天井裏などへの設置を想定。室内の高い位置に置けば水害時に水没するリスクを回避することにもなり、災害時の非常用電源として利便性も高い。また、重量も1つあたり24kgで重機を使わずとも運搬可能なため施工性も良い。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用しているため、発火リスクのない安全性の高い製品だ。

蓄電池本体
蓄電池本体

また、専用アプリで充放電を可視化するなど、手厚い保守サポートサービスも提供している。「エンドユーザーが発電、充電、放電状況をリアルタイムで確認できるだけでなく、我々も蓄電池やコンバーターの内部温度、電圧、電流などの詳細情報にアクセスできます。何か問題が発生した場合は遠隔から原因を探ることができるなど、より安心してご利用いただける環境を整えました」(坂井氏)。

 

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