再エネ新電力Looopのサービス開発戦略『系統に依存しない』電力供給
エネルギーの本質を捉えたサービスや機能面で圧倒的な訴求力を誇るLooop。近年では、自家消費に欠かせないエネマネにおいて幅広い機能を提供し、カーボンニュートラル社会の実現に拍車をかけている。同社 取締役 電力事業本部 本部長 小嶋 祐輔氏が、市場をリードする再エネ新電力としてのサービス開発戦略を紹介した。

カーボンニュートラルの実現には地産地消の拡大が不可欠

小嶋 祐輔氏
日本国内における新電力の低圧シェアランキング8位に位置し、業界初「基本料金ゼロ」プランで現状25万人の顧客を獲得しているLooop。創業事業である太陽光発電設備の設置、自社発電事業の運営に加えて、2015年12月からは電力小売り事業に参入。近年では家庭用の太陽光発電やO&M、蓄電池の販売、エネルギーマネジメント(以下、エネマネ)に注力するなど、再生可能エネルギー(以下、再エネ)電源の開発から供給まで一貫したサービスを提供している。
現在、日本は2030年までにエネルギーミックスに占める再エネ比率を22~24%まで拡大することを目標に掲げている。しかしながら、近年では早期の脱炭素化社会実現を求める機運が高まりつつあることから、既に議論が始まっている第6次エネルギー基本計画では再エネ導入の目標値が引き上げられる可能性が高い。
「カーボンニュートラルの実現には、FIT制度によって大量導入されたこの10年をさらに上回るペースでの再エネ導入が求められます。発電設備を設置可能な場所にどんどん設置していく地産地消モデルの拡大や、系統の活用に向けた議論も早急に進めていかなければなりません」と小嶋氏は再エネ市場は過渡期を迎えており、FIP制度を皮切りにkW価値、調整力価値、再エネ価値が顕在化するような制度変更が進むと説明した。一方、需要家側でもRE100に向けた動きが加速し、再エネ調達への需要とともに自家消費へのニーズが急速に高まっている。

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需要家の行動変容とエネルギー機器の活用で需給バランスをコントロール
こうしたなか、再エネ新電力としてエネルギーを安く提供する機能と、顧客に受け入れられるサービス戦略の開発を着々と進めているのが、Looopだ。自家消費のカギとなるエネマネを重視する同社は、これまでも需要地の近くでエネルギーをコントロールできるリソースの構築や、こういったリソース所有者との接点づくりに注力したサービスを展開。今後はさらに機能面とサービス面の両方から、さらなる進化を目指す。再エネを安く提供するためのベースとなる考え方として、小嶋氏は「とにかく余剰を出さないこと。系統に流す前に使いきることがポイントです」とできるだけエネルギーを作った場所で使うことで系統に依存しない電力供給が実現すると語った。

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