再エネ新電力Looopのサービス開発戦略『系統に依存しない』電力供給(2ページ目)

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現在、Looopは主に2つの自家消費モデルを提供。再エネ発電設備を顧客に購入してもらう「購入モデル」と同社が顧客の敷地で発電所を作り、その使用量に応じて電気を直接販売するPPA(第三者所有/無償設置)モデルだ。近年、広がりをみせている後者では、設置工事費からメンテナンス費まで、全てLooopが負担することになる。さらに、自家消費にはエネマネが欠かせないことから、B to Cの領域を軸に同分野での機能開発も進めている。「需給バランスの調整方法としては、(1)需要家の行動を変えること、(2)蓄電池、EV、給湯器のようなエネルギー機器の活用などが挙げられます」と小嶋氏。同社は、前日に系統の需給状況を考慮して、需要家に節電・使用奨励を通知するサービスを長きにわたり提供し、DR(Demand Response)効果を最大化している。また、2017年度より毎年VPPの実証事業に参加しており、今年度は1,605台の家庭用蓄電池を制御予定だ。

自家消費関連の各種スキーム
自家消費関連の各種スキーム
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また、地産地消のモデルとして環境省から支援を受けながらさいたま市と連携し、街全体のコントロールを行うスマートシティの構築にも参画している。51軒の住宅で太陽光、蓄電池、EVにより再エネを融通、かつ需要を均し、再エネ率60%の実現を目指す。機器によるコントロールだけでなく、アプリケーションを使って需要家の行動変容を促すDRを通じて需給バランスを調整。託送から脱却し、地域で発電した電気を地域で消費する地域循環共生圏の構築を狙う。「停電時においても、電力供給を継続できるレジリエンス性を担保しながら、系統に依存せず再エネを活用する構成が、このプロジェクトの特長です。この実証実験においてコストダウンをより一層進めることで、こうした新モデルの汎用化を図っていきたいです」と小嶋氏は意気込んだ。

再エネ由来の環境価値サービス

当社が提供する再エネ供給サービスの特徴
同社が提供する再エネ供給サービスの特徴
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一方、再エネ調達を希望する顧客に応えるさまざまなサービスも展開している。「環境価値サービス」として、RE100%やRE50%(受電量に対して50%分の非化石価値を混合し供給)、CO2排出係数抑制のみを希望する顧客にはCO2 ZeroやCO2 Light(調整後排出係数を0.349kg-CO2/kWhに固定して供給)といったメニューを準備。すべて原価で提供する経済性の高い電力となる。

EPC事業者としての長年の経験を活かして、発電所の開発から電力供給、近年では自家消費型へのシフトに向けた幅広いラインナップなど、包括的なサービスを提供するLooop。とりわけ、エネマネ関連の機能を数多く有している企業として、Bloombergのレポートでは「最もアクティブな新電力」としても紹介された。

「今年度からさらに活動の幅を広げており、街一体のコントロールやB to Bの分野での事業拡大も検討しています」と小嶋氏は、カーボンニュートラルに適応していく新電力として、新たなアライアンスによる技術やサービスの進化を求める強い姿勢を示した。

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