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北九州市、地域資源の循環でSDGs達成を目指す新プロジェクト始動

地域を巻き込み同じゴールを目指す

参加団体が着実に増え古紙回収の仕組みづくりも進むなか、今後の課題はアップサイクル品をいかに生み出していくか。現在、産学の連携として、福岡教育大学附属小倉中学校とNPO法人『わくわーく』が共同で、アップサイクル品の開発を行う取り組みも進めている。

福岡教育大学附属小倉中学校の生徒 「プロジェクトを通してローカルSDGsにどう貢献するか」を学ぶ場所としても活用されている

福岡教育大学附属小倉中学校の生徒
「プロジェクトを通してローカルSDGsにどう貢献するか」を学ぶ場所としても活用されている

「再生紙の名刺やノート、封筒などはこれまでにもあるわけで、なぜ『ペーパーラボ』の紙を使うのかを訴求していく必要があるかと思います。他の再生紙を利用した製品と差別化できるオリジナル製品を生み出していきたいと思います」(小橋氏)

ローカルSDGsとして環境×経済×社会の価値共創を目指す同プロジェクトでは、北九州市立大学と共同で、プロジェクトの評価方法を検討中だ。

「北九州市立大学では社会へのインパクトを『SROI( 社会的投資収益率)』という手法を使って評価する研究に挑戦いただいてます。将来的には、環境、経済、社会を統合したSDGsのプロジェクト評価方法のようなものを確立できれば、このようなプロジェクトの意義をもっと明確に発信できるものと期待しています」(網岡氏)

エプソンでは、様々な展示会やイベントで北九州市の事例を紹介しており、外部の自治体や近隣の学校などから見学の問い合わせがあり、注目度も上がっている。来期は、サービスの土台を固め、アップサイクル品を販売につなげる部分に力を入れていくという。

「『ペーパーラボ』自体が発展途上の開発製品だと思っていますので、実証事業を進める中で新たな使い方や事業の構想が生まれてくると考えています。『ペーパーラボ』が搭載している『ドライファイバーテクノロジー』という当社独自の技術は、『繊維素材を価値あるカタチに変える技術』です。技術を活用して、さらに色んな事業を地域の皆さんと作っていくのが、次のステップになると思っています」(多田氏)

エプソンでは同プロジェクトを、地域循環共生圏の都市部における取り組みと位置づけ、北九州市のSDGsの達成、環境基本計画に貢献し、ローカルSDGsの取り組みの実体例となる活動と考えている。

上:プロジェクトの中核を担う『PaperLab』(九州ヒューマンメディア創造センターの1階に設置) 下:左からエプソン販売 多田氏、わくわーく 小橋氏、プロジェクト推進フォーラム 網岡氏

上:プロジェクトの中核を担う『PaperLab』(九州ヒューマンメディア創造センターの1階に設置)
下:左からエプソン販売 多田氏、わくわーく 小橋氏、プロジェクト推進フォーラム 網岡氏

プロジェクトの今後のビジョンについて多田氏は「SDGsで重要となるのが目標17番の『パートナーシップ』です。今回の北九州市のプロジェクトのように、地域を巻き込んで、みんなで同じゴールに向かって取り組み、喜んでもらいながら、紙資源が循環することで地域が活性することが理想です」と話す。北九州市でのプロジェクトが成功すれば、他地域への水平展開も視野にいれていく。

一方、同プロジェクトを推進する中心人物でもある網岡氏は「このプロジェクトを通じ、小倉中学校なども含め、予想もしていなかった人たちとの出会いがありました。私は、この八幡東田地区は、インパクトシティだと思っています。多様な人々が世代やセクター、組織や地域の垣根を越えて集まり、一緒に考え行動するコレクティブインパクト。これにより街中で持続的に湧き起こるプロジェクトが喚起する社会的インパクト。だから、この街にくると、つい心拍数が上がってしまうようなエキサイティングな街=インパクトシティでありたい」、「この街は、日本の産業革命発祥の地として世界遺産に登録されましたが、今世紀中に世界のグリーン革命発祥の地として、もう一度、世界遺産登録されること、それが私たちの目指すゴールです」と、北九州市・八幡東田の街の将来像を語った。

注釈:※ 機器内の湿度を保つために少量の水を使用

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『紙の循環から始める地域共創プロジェクト』
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