コスト高・適用地不足、課題だらけの大規模再エネ開発

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再エネの大規模開発が滞っている。日本はいまだに天然ガス・石炭の火力発電の割合が大きく、化石燃料に依存している。脱炭素化に向けた再エネへの転換が世界の潮流のなか、エネルギー政策、再エネ主力電源化の進捗は芳しくない。

先進国で唯一、化石燃料依存を掲げる日本

国際エネルギー機関(IEA)の発表によると、全世界の風力と太陽光発電は2022年に全体の12%にまで拡大し、30年に41%と主役の位置に躍り出る。2040年には、ほぼすべての発電は再エネでカバーされ、石炭はフェーズアウト、天然ガスも1%にも満たないと予測されている。

世界は今、ロシアのウクライナ侵攻から、かつてないエネルギー費の高騰が続く。EUがロシア産の化石燃料からの急激な脱却を図るなか、天然ガスや石炭の価格の上昇が止まらない。すでに太陽光に加え風力発電に舵を切った欧州はもちろん、再エネに対する大規模な減税政策が効果を見せ始めている米国。中国はすでに世界一の再エネ大国であり、人口世界一のインドでは太陽光導入に拍車がかかっている。

片や日本は、第6次エネルギー基本計画において掲げられたエネルギーミックス(再エネ比率36〜38%)の実現に向けて、取り組みの加速を図っていくことが重要なはずだが、5月に開かれたG7サミット外相会議では、脱炭素に後ろ向きとしか見えない提案に終始し、先進国の中で唯一、化石燃料の活用を掲げ、再エネの目標を改変しようとしなかった。

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