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最終更新日:2026年09月25日

HEMS

環境ビジネス編集部
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HEMSとは、ホームエネルギーマネジメントシステム(Home Energy Management System)の略称で、情報技術を駆使して住宅内のエネルギーを管理するシステムである。

太陽光発電や家庭用蓄電池、ヒートポンプ給湯機、空調、EV(電気自動車)などの設備をネットワークでつなぎ、電力消費の「見える化」や機器の自動制御を行う。エネルギー消費の抑制だけでなく、再生可能エネルギーの自家消費最大化や電力需給に応じた柔軟な制御を担う。

HEMSは「節電ツール」から「電気需要最適化の中核」へ

従来のHEMSは、主に家庭内の電力使用量を可視化し、ピークカットや節電を促すための仕組みとして普及してきた。しかし、太陽光発電の大量導入に伴う昼間の余剰電力発生や電力需給ひっ迫といった課題が顕在化するなかで、その役割は大きく変容している。

現在は、家庭に設置された分散型エネルギーリソース(DER)を統合的に制御し、電気需要の最適化を図る中核装置として位置づけられる。2023年4月施行の改正省エネ法では、従来の需要平準化から、再エネ余剰時の需要創出(上げDR)および需給ひっ迫時の抑制(下げDR)を含む「電気需要最適化」へと政策方針が転換された。これにより、HEMSを通じて市場や系統の状況に即したデマンドレスポンスを家庭単位で自動実行する重要性が急速に高まっている。

また、住宅設備市場でも導入を後押しする製品開発が進んでいる。例えば、パナソニックがHEMS対応住宅分電盤の新モデルを発表するなど、住宅空間への調和や施工性を高めた制御インフラの整備が加速している。

ZEHや省エネ政策における位置づけと標準規格

脱炭素社会の実現に向けて、2025年4月には改正建築物省エネ法が全面施行され、すべての新築住宅に対して省エネ基準への適合が義務づけられた。政府が掲げる2030年度以降の新築住宅におけるZEH水準の標準化に向けても、エネルギーマネジメントを担うHEMSの普及が欠かせない。

国の住宅省エネキャンペーンや「GX志向型住宅」などの補助事業では、高度なエネルギー管理機能が要件化されており、国内標準通信規格である「ECHONET Lite AIF仕様」に適合した機器の導入が求められるケースが増えている。ECHONET Lite規格に対応した機器の累計出荷台数はスマートメーターを含め1億5,000万台を突破しており、各メーカーの空調や給湯機、蓄電設備間の相互接続性を担保する基盤となっている。

実務担当者が留意すべき導入・運用の要件

住宅開発やエネルギーサービスの実務においてHEMSを選定・導入する際は、単に省エネ性能を評価するだけでなく、たとえば以下のような運用面・制度面の要件を確認することが重要である。

  • AIF認証の取得状況:住宅関連の補助金を活用する場合、エコーネットコンソーシアムが公表する「ECHONET Lite AIF仕様」の認証登録品であることが必須要件となる場合が多い。
  • VPP・DRサービス事業者との互換性:小売電気事業者やアグリゲーターが提供するDRプログラム(電気代連動割引やポイント還元等)に参加するためには、HEMSおよび接続機器が事業者のクラウド制御基盤に対応している必要がある。
  • サイバーセキュリティ対策:宅内機器が外部ネットワークと常時通信することに伴い、IoT製品に対するセキュリティ適合性(IPAの「JC-STAR」ラベル適合など)への配慮が求められる。
参考

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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