環境用語集 デマンドレスポンス

デマンドレスポンスの取引の概要
節電のリクエストを受け取ったら(青色)、実際に節電しネガワットを生み出し(黄色)、その分の報酬を受け取ることができる(緑色)

定義

「ディマンドリスポンス(Demand Response、DR)」とも表記される。「時間帯別に電気料金設定を行う」、「ピーク時に使用を控えた消費者に対し対価を支払う」などの方法で、電力の使用抑制を促し、ピーク時の電力消費を抑え、電力の安定供給を図る仕組みのこと。これにより需要者側が電力システムに参画できる。今後、日本では需要者の利便性と電力網の安定性を損なわない自動的なデマンドレスポンスを機能させる仕組み作りが求められている。

米国では2000年代後半からすでに実証実験が行われており、現在スマートメーターの導入とともに自動需要応答(Automated DR)の議論も盛んに行われている。

参考記事:見えてきたスマートグリッド新しいスマートコミュニティ構築へ「米国における自動需要応答の最新動向と日本のあるべき対応」

詳細

コントロールの方法としては主に2種類ある。

【1】価格型需要応答

それぞれの時間帯で別の電気料金体系を設定する。時間帯別料金設定等。

【2】インセンティブ型需要応答

電気料金高騰時あるいは緊急時に、電力消費を削減の要請に応じた需要者に対して、対価が支払われる仕組み。

事例

全国4都市でデマンドレスポンスに関する実証実験がおこなわれている。
参考記事:経産省 国内初となるスマートグリッドの大規模実証実験が4地域でスタート

【横浜市】
環境配慮型都市づくり事業「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」の内で、デマンドレスポンスの実証を始める。最終的には家庭4000軒まで対象拡大予定。
横浜市 - 横浜スマートシティプロジェクト

【豊田市】
豊田市が中心に進める「低炭素社会システム実証プロジェクト」の中で、中部電力が実証実験を行う。同市内と周辺地域の最大160軒を対象に、電力使用状況の変化の検証とシステム開発を行う。2014年12月まで実施予定。
環境ビジネスオンライン - 中部電力、愛知県豊田市で電力需給逼迫時のデマンドレスポンス実証へ 市内160軒を対象

【けいはんな学研都市】
約900世帯の新興住宅団地で、住民の電力需要の変化を実証する。家庭向けのエネルギーコンサルティングも行うとともに、エネルギーの宅内見える化の端末を用いた通信販売、ヘルスケア、セキュリティなどの新ビジネスの展開を検討中。
経済産業省 - けいはんな次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクトの取組状況について(PDF)

【北九州市】
「スマートコミュニティ創造事業」において昨年設備した地域節電所本格運用させ、実証実験を行っている。エネルギー需要状況に応じて当日に料金を変動させる「リアルタイム・プライシング」の世界初の試みを行っている。
北九州市 - 北九州スマートコミュニティ創造事業

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