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最終更新日:2026年09月18日

ZEH

環境ビジネス編集部
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ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称である。建物の外皮を高断熱化するとともに高効率な省エネルギー設備を備え、太陽光発電などの再生可能エネルギーを創出することで、年間の一次エネルギー消費量の収支を正味(ネット)でゼロ以下にする住宅を指す。脱炭素社会の実現に向け、住宅部門における省エネルギー化の基軸として普及が進められている。

ZEHの判断基準と定量的要件

国が定めるZEHロードマップ検討委員会の取りまとめにおいて、ZEH(狭義のZEH)は以下の4つの要件をすべて満たす住宅と定義されている。

  1. 強化外皮基準への適合(地域区分1・2地域でUA値0.40W/m2K以下、3地域で0.50W/m2K以下、4~7地域で0.60W/m2K以下)
  2. 再生可能エネルギー等を除いた状態で、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減
  3. 再生可能エネルギー設備の導入(容量不問)
  4. 再生可能エネルギー設備による発電分を合算し、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

多様な立地・形態に対応する派生区分と集合住宅への展開

屋根面積や日照条件の制約がある都市部狭小地や積雪地など、100%削減が困難なケースに対応するため、複数の派生区分が体系化されている。一次エネルギー消費量を75%以上削減するニアリーZEHや、寒冷地・低日射地域向けのZEH Ready、敷地面積が狭小な都市部等で創エネ設備の導入が困難な場合に外皮基準と省エネ20%削減を満たすZEH Orientedなどが設けられている。また、さらなる高性能化や蓄電システム、HEMSによる制御を求める上位基準としてZEH+も運用されている。

戸建住宅だけでなく、分譲・賃貸マンションを対象とした「ZEH-M(ゼッチ・マンション)」の基準も整備された。住棟全体または住戸単位での断熱性能向上と設備効率化が進んでおり、矢野経済研究所による国内ZEH市場調査でも大手デベロッパーの標準化を背景とした集合住宅向けZEHの急速な拡大が示されている。さらに、自家消費率の向上や脱炭素化の深化を見据え、経済産業省によるGX ZEHの定義公表など、次世代を見据えた枠組みづくりも進行している。

政策目標の改定と「ZEH水準」の義務化動向

政府の第6次エネルギー基本計画では、「2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」とともに、「2030年において新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指す」方針が掲げられている。

これに伴い、住宅性能表示制度においてZEHの外皮基準に相当する断熱等性能等級5、設備基準に相当する一次エネルギー消費量等級6が新設された。太陽光発電による創エネを問わずこの断熱・設備基準を満たす仕様は「ZEH水準」と呼ばれ、2024年以降の住宅ローン減税における必須要件や、建築物の販売・賃貸時における省エネ性能表示制度の評価項目として実務に定着している。法制度上も、2025年4月からの省エネ基準適合義務化に続き、遅くとも2030年までに適合義務基準そのものをZEH水準へと引き上げる計画が進められている。

電力市場の環境変化や電気料金の高騰を背景に、ZEHにおけるエネルギー利用は売電主導から蓄電池やV2Hを活用した自家消費重視へとシフトしている。単棟での導入にとどまらず、大東建託によるZEH街区でのマイクログリッド構築計画のように、複数のZEH住戸と大型蓄電設備を自営線で結び地域全体で再エネ電力を融通する高度なエネルギーマネジメントの実装も始まっている。

参考

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環境ビジネス編集部

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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