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最終更新:2026年10月07日

モーダルシフト

環境ビジネス編集部
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モーダルシフトとは、トラック等の自動車による貨物輸送を、より環境負荷が小さく大量輸送が可能な鉄道や内航海運へと転換すること。

従来の二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた環境対策にとどまらず、トラックドライバーの時間外労働上限規制に伴う「物流の2024年問題」や労働力不足を打開する施策として位置づけられている。長距離輸送を鉄道や船舶が担い、末端の集配をトラックが担う複合一貫輸送の構築が官民で推進されている。

CO2排出削減効果と物流2024年問題への対応

国土交通省の試算によると、貨物1トンを1キロメートル輸送する際のCO2排出量は、営業用トラックの207g-CO2/t-kmに対し、内航海運(船舶)は42g-CO2/t-km(約80%削減)、貨物鉄道は19g-CO2/t-km(約91%削減)である。大幅な排出削減が見込めることから、荷主企業にとってはサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量、特にGHGプロトコルにおけるScope 3(カテゴリ4:輸送・配送)削減目標の達成に直結する施策となる。

加えて、2024年4月に適用開始されたトラック運転者の年間時間外労働上限(960時間)規制により、500キロメートルを超える長距離輸送をトラック単独で維持することが困難化している。モーダルシフトは、ドライバーの拘束時間を短縮しつつ安定的な輸送網を維持するための事業継続(BCP)対策としても不可欠な位置を占めている。

法制度の抜本改正と政府の倍増目標

2024年に成立した法改正により、従来の流通業務総合効率化法は「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法/新物効法)」へと改編された。従来の自発的な計画認定や優遇措置にとどまらず、荷主および物流事業者に対して積載効率の向上や荷待ち時間の削減などの努力義務・判断基準が課されることとなった。一定規模以上の特定事業者には、物流統括管理者(CLO)の選任や中長期計画の策定、定期報告が義務付けられ、荷主側にも「運ばせる責任」が求められている。

政府の「物流革新に向けた政策パッケージ」では、2030年代前半に向けて鉄道・内航海運の輸送量を倍増させる目標が設定されている。鉄道コンテナ貨物を約1,800万トンから3,600万トンへ、内航海運(フェリー・RORO船等)を約5,000万トンから1億トンへと引き上げる方針である。国による支援措置も強化されており、国交省が公募する物流総合効率化計画の策定や設備導入を支援する補助事業などを活用した取り組みが進展している。

実務における推進体制と導入時の留意点

実務におけるモーダルシフトでは、大型トラック1台分と同等の積載が可能な31フィートコンテナの活用や、復路の空コンテナを防ぐ異業種間ラウンド輸送、同業他社との共同運行トレインの導入などが広がっている。具体的な事業化の例として、日本通運とJR貨物によるホンダ製EVバッテリー長距離輸送のモーダルシフトでは、約500キロメートル区間を鉄道へ転換することで、トラック単独輸送と比較してCO2排出量を年間約74.5%、ドライバーの拘束時間を約78.8%削減するモデルが実用化されている。

一方で、導入に際しては鉄道や船舶の運行ダイヤに合わせたリードタイムの長期化や在庫拠点の再設計、配送計画の見直しが前提となる。手荷役を排除して積替時間を短縮するためのパレット(T11型標準パレット等)運用への統一も重要である。さらに、大雨や台風などの自然災害による鉄道路線・航路の寸断リスクを考慮し、有事におけるトラック輸送への迂回体制など、BCP(事業継続計画)に沿ったバックアップルートの事前確保が求められる。

参考

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環境ビジネスは、温暖化防止のための世界で初めての国際協定である京都議定書が1997年に採択されたことを受けて、その翌年創刊しました。当時、『21世紀は、環境の世紀』といわれ、私たちは、新たな時代の到来はもちろんのこと、新たな産業の息吹を感じ、環境に関するビジネスに役立つメディアを出版することになりました。ウェブマガジン「環境ビジネスオンライン」では、環境業界の注目ニュース・最新トレンド・政策・企業情報解説記事など、実務に役立つ情報・サービスを提供しており、多くの実務層の方々にご参照いただいています。

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