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省エネ化の鍵 パワーエレクトロニクスの新技術研究、11テーマが始動

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省エネ化の鍵 パワーエレクトロニクスの新技術研究、11テーマが始動

NEDOは、省エネルギー化のためのキーテクノロジーであるパワーエレクトロニクスの性能向上や用途と普及の拡大を図り、一層の省エネルギー化の推進と産業競争力の強化を進める委託事業、11テーマの採択先を決定した。

事業期間は2018年度末までの5年間。本事業の成果は、応用システム開発を中心とした事業への橋渡しを行うことなどにより、早期の実用化・事業化を目指す。

本事業は、内閣府が推進するSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の課題の一つである「次世代パワーエレクトロニクス」を、同テーマの管理法人としてNEDOが実施するもの。SIPとは、総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために新たに創設されたプログラム。

パワーエレクトロニクスは半導体素子を用いて電力の変換や制御を行う技術のこと。太陽光発電の直流・交流変換や電車のモータ制御などに用いられている。本事業では、以下の4つの研究開発項目において、11テーマの委託事業として実施する予定。

研究開発項目I SiCに関する拠点型共通基盤技術開発

(高耐圧化、小型化、低損失化、信頼性向上)

  • 産業技術総合研究所、京都大学など「SiC次世代パワーエレクトロニクスの統合的研究開発」
  • 早稲田大学、九州工業大学「ハイブリッド自動車向けSiC耐熱モジュール実装技術の研究開発」

研究開発項目II GaNに関する拠点型共通基盤技術開発

(ウエハ及びデバイスの高品質化)

  • 京都大学、三菱化学など「GaN縦型パワーデバイスの基盤技術開発」

研究開発項目III 次世代パワーモジュールの応用に関する基盤研究開発

(回路、使いこなし技術)

  • 東京工業大学、首都大学東京など「次世代パワーモジュールを使用したパワーエレクトロニクス機器とその統合システムの包括的研究開発」
  • 芝浦工業大学「EVモータ駆動用機電一体インバータの研究開発」

研究開発項目IV 将来のパワーエレクトロニクスを支える基盤研究開発

(新材料、新構造等)

  • 東北大学「超高次非線形誘電率顕微鏡法を用いたSiC基板材料及びパワーエレクトロニクス素子の高性能化に資する評価技術の開発」
  • 東京大学「材料科学に基づく4H-SiC上の高品質ゲート絶縁膜形成手法の研究開発」
  • 情報通信研究機構、タムラ製作所など「酸化ガリウムパワーデバイス基盤技術の研究開発」
  • 物質・材料研究機構、東京工業大学など「パワーデバイス用ダイヤモンド合成基盤技術の研究開発」
  • 産業技術総合研究所、千葉大学など「ダイヤモンドパワーデバイス用ウエハの研究開発」
  • 京都大学、千葉工業大学など「SiCパワーデバイス応用による低容量小型パワー集積回路開発およびパワープロセッシング技術の研究開発」

なお、SIPでは、課題ごとにプログラムディレクターを選定しており、本事業では、大森達夫氏(三菱電機 開発本部 役員技監)をプログラムディレクターとして、基礎研究から出口(実用化・事業化)までを見据え、規制・制度改革を含めた取組みを推進する。

用語解説

SiC:シリコンカーバイド(炭化ケイ素)。ケイ素と炭素の化合物で、これを用いて作った半導体デバイスを従来のシリコン半導体デバイスに比べると、内部の電力損失が1/100と小さく、高い周波数・高い温度(300℃程度まで。Siの場合は100℃程度まで)で使用することができる。

GaN:窒化ガリウム。ガリウムと窒素の化合物で、これを用いて作った半導体デバイスは、SiCと同様に電力変換時の損失が小さく、より高速でスイッチングできるという特徴があり、次世代パワーエレクトロニクスの材料として期待されている。

【参考】
NEDO - 府省の枠を越えSIPパワーエレクトロニクスプロジェクト始動へ―さらなる省エネルギー化と産業競争力強化のために―
NEDO - 「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)/次世代パワーエレクトロニクス」に係る実施体制の決定について

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