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今後の世界で温暖化対策の根拠となる「IPCC第5次報告書」、採択

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気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第40回総会(10月27日~31日、於デンマーク・コペンハーゲン)において、IPCC第5次評価報告書統合報告書の政策決定者向け要約(SPM)が承認・公表されるとともに、統合報告書本体が採択された。環境省、経済産業省などがその概要をとりまとめ発表した。

本統合報告書では、21世紀にわたって上昇すると予測される地上気温による気候変動は、既存のリスクを増幅し、自然および人間システムにとっての新たなリスクを引き起こすと予測。

工業化以前と比べた温暖化を2度未満に抑制する可能性が高い緩和経路は複数あるが、これらの経路の場合には、CO2およびその他の長寿命温室効果ガスについて、今後数十年間にわたり大幅に排出を削減し、21世紀末までに排出をほぼゼロにしなければいけないと述べ、国際的、地域的、国家的、準国家的な複数の規模にまたがった、適応と緩和、技術、資金に関する政策や対策を求めている。

IPCC第5次評価報告書の内容

IPCC第5次評価報告書は、三つの作業部会報告書と今回の統合報告書から構成される。統合報告書では、(1)観測された変化およびその要因、(2)将来の気候変動、リスク、影響、(3)適応、緩和、持続可能な開発に向けた将来経路、(4)適応および緩和の4つの主題のもと、第1作業部会報告書(自然科学的根拠)、第2作業部会報告書(影響・適応・脆弱性)、第3作業部会報告書(気候変動の緩和)の内容を横断的にとりまとめている。

同報告書には、人為的な温室効果ガスの排出による気候変動の現状および今後の見通しについての最新の知見が参加国のコンセンサスで取りまとめられている。統合報告書を含む一連のIPCC第5次評価報告書は、今後「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)」をはじめとする、地球温暖化対策のための様々な議論に科学的根拠を与える重要な資料となる。


今回承認された統合報告書のSPMの主な結論は環境省等のウェブサイトに掲載されている。また、SPM全文についても、環境省ウェブサイトにおいて日本語訳を公開する予定である。

なお、昨年10月の第37回総会以降、第5次評価報告書後のIPCCの運営や成果物の改善に向けた議論が進められており、来年2月に開催されるIPCC第41回総会において、第6次評価報告書作成等の今後のIPCCの活動に関する基本枠組みが決定される見込み。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、人為起源による気候変動、影響、適応および緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された組織。

IPCCは、これまで4回にわたり評価報告書を発表。これらの報告書は、気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)をはじめとする、地球温暖化に対する国際的な取り組みに科学的根拠を与えるものとして極めて重要な役割を果たしてきた。第5次評価報告書は、800名を超える執筆者により約4 年の歳月をかけて作成された。各作業部会の報告書並びに統合報告書は順次公開されている。

日本は、第5次評価報告書の取りまとめにあたり、省庁連携によるIPCC国内連絡会を組織し活動支援を行ってきた。また、日本の多くの研究者の論文が引用されるとともに、報告書の原稿執筆や最終取りまとめにおいて積極的な貢献を行ってきた。

【参考】
環境省 - 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書統合報告書の公表について

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