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800万トンの災害廃棄物、たった3年で85%のリサイクルを完了

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800万トンの災害廃棄物、たった3年で85%のリサイクルを完了

「第13回 産学官連携功労者表彰」の国土交通大臣賞に、宮城県、東北大学などによる「巨大災害による膨大な廃棄物 世界初の大規模リサイクル利用」が選ばれた。災害廃棄物を新しい技術で有用な土木資材にリサイクルする取り組みだ。

東日本大震災により石巻ブロックでは110年分(800万トン、東京ドーム8杯分)の廃棄物が発生したが、同地域にはこの量を受け入れる最終処分場がないため、鹿島建設(東京都港区)など9社で構成する特定共同企業体で災害廃棄物のリサイクルを実施した。造粒固化技術により廃棄物を有用材にすることで、発災後3年で処理を完了し、リサイクル率は85%を達成した。

受賞者は、宮城県 環境生活部参与(当時)松崎富士夫氏、東北大学工学部 客員教授(当時)竹村公太郎氏、石巻ブロック災害廃棄物処理業務特定共同企業体所長(当時)佐々木正充氏。なお、8月28日に東京ビッグサイトにて表彰式が開催される。

「巨大災害による膨大な廃棄物 世界初の大規模リサイクル利用」のポイントは下記の通り。

焼却灰のリサイクルには造粒固化処理

「造粒固化処理」とは、粉体・泥状物に結合剤、添加剤、固化剤などを加えることにより粒子を結合・固化させ、比較的大きな粒子とする処理。今回使用した新しい処理技術では、焼却主灰にセメントを加え、さらに有害な重金属の溶出を抑制する薬剤を添加して撹拌することで、土木資材として活用できる造粒固化物を製造した。この造粒固化技術は、廃棄物の焼却灰の有効利用に資する革新的技術といえる。

産官学の連携によるリサイクル

廃棄物の資源化など安全性確認は特定共同企業体、安全性の評価は大学、利用計画の策定は地方公共団体が行い、産官学の連携によりリサイクルを推進した。

将来の震災対応へのモデル、知見の伝達

首都直下地震や国外における大規模災害時における廃棄物リサイクルの基礎を構築し、今回の経験を次世代へ引き継ぐべく「災害廃棄物処理に関する今後の提言」を作成した。

(写真左)焼却灰の造粒固化物、(写真右)造粒固化物の石巻港埋立材としての利用状況

(写真左)焼却灰の造粒固化物、(写真右)造粒固化物の石巻港埋立材としての利用状況

「産学官連携功労者表彰」は、大学、公的研究機関、企業などにおける産学官連携活動で、大きな成果を収め、あるいは先導的な取り組みを行うなど、同活動の推進に多大な貢献をした優れた成功事例に対して、その功績を称えることにより、わが国の産学官連携活動のさらなる進展に寄与することを目的とするもの。

今回、国土交通大臣賞のほかにも、内閣総理大臣賞など11の賞が14件に授与されることが決定した。科学技術政策担当大臣賞には「省エネ用Si基板上GaN系パワー半導体の開発」、環境大臣賞には「データセンタの抜本的低炭素化とオフィス等への廃熱利用に関する共同技術開発」、日本学術会議会長賞には「短波長紫外LEDの開発」が選ばれた。

【参考】
国土交通省 - 巨大災害による膨大な廃棄物 世界初の大規模リサイクル利用

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