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農水省の「荒廃農地レポート」 太陽光発電が解消に一役買った事例を紹介

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農水省の「荒廃農地レポート」 太陽光発電が解消に一役買った事例を紹介

農林水産省は、耕作の放棄により荒廃し、通常の農作業では作物の栽培が客観的に不可能となっている「荒廃農地」について、2014年の面積を取りまとめ公表した。2014年の荒廃農地面積は、全国で2013年比で3000ha増の約27.6万ha(推計値)となった。

このうち、「再生利用が可能な荒廃農地」は約13.2万ha(農用地区域では7.5万ha)、「再生利用が困難と見込まれる荒廃農地」は約14.4万ha(同5.4万ha)。「再生利用が可能な荒廃農地」は前年比6万ha減、「再生利用が困難と見込まれる荒廃農地」は前年度比9万ha増。

農地面積の減少要因など

農地面積の減少要因として大半を占める耕作放棄と非農業用途への転用面積は、2002年に約3万ha、その後、約2万ha程度で推移ないし減少傾向にあったものの、平成25年から増加に転じている。農林水産省では、今後、優良農地の確保と有効利用を進めるためには、農地転用制度等の適切な運用を図るとともに、荒廃農地の発生抑制・再生利用を着実に推進する必要があるとしている。

2014年における調査によれば荒廃農地の発生原因は、全ての農業地域で「高齢化、労働力不足」(23%)が最も多く、次いで「土地持ち非農家の増加」(16%)が多い。また、「農作物価格の低迷」と「収益の上がる作物がない」を合わせると全体の2割を占める。

「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付けせず、この数年の間に再び作付けする意思のない土地」は「耕作放棄地」と定義されている。耕地でこの定義に当てはまる土地および荒廃農地を含めた「耕作放棄地」の面積は2010年時点で39.6万haとなっている。

一方、2014年の農地面積は452万ha。農林水産省は、これまでの趨勢を踏まえ、荒廃農地の発生抑制・再生等の効果を織り込んで、2025年時点で確保される農地面積は440万haとの見通しを示している。

太陽光発電による経営下支え等も解決策の一役に

本レポートで、荒廃農地の対策として、荒れている農地をいきかえらせる取組みを支援する交付金等を紹介。また荒廃農地解消事例のひとつとして、農地中間管理機構による石川県羽咋市における取組みを取り上げている。

滝町は、小区画(8a)の圃場である上、農業用水が不足がちであることや隣接する町の圃場整備が完了することにより、入耕作していた農家が転出し、年々、耕作放棄地が増加し、地区の9割を占めるまでとなった。耕作放棄地の解消に向け、県、市、JA等関係機関の働きかけにより、地元における農地の有効活用への機運も高まり、圃場整備事業(受益面積44ha)により耕作放棄地の再整備を行い、農地中間管理事業を活用して、地区の農地をまとまった形で農業生産法人等担い手に貸しつけることとなった。

本事業における機構活用に関する創意工夫として、(1)JAはくいが出資したJAアグリはくいの農業参入と農地中間管理事業を活用したまとまった形での農地集積、(2)県営ほ場整備事業による耕作放棄地の再整備、農業参入支援ファンドによる担い手の経営支援、(3)太陽光発電(売電収入)による経営下支え等、施策を総動員することにより、地区の農業再生を図ること、をあげている。

レポートの背景

農林水産省は、日本の食料自給率の向上を図るためには、優良農地の確保と担い手への農地集積・集約化が重要であることから、食料・農業・農村基本計画(平成27年3月31日閣議決定)に基づき、荒廃農地の再生利用に向けた施策を推進している。

本施策の推進に当たり、荒廃農地の荒廃状況、解消状況等の情報を把握することが必要不可欠である。そのため、「荒廃農地の発生・解消状況に関する調査要領」(19農振第2125号農林水産省農村振興局長通知)に基づき、市町村および農業委員会の現地調査等により、荒廃農地の面積等を公表することとされている。

なお、今回の調査は、2014年1月~12月までの間に実施した。東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により避難指示のあった福島県の町村等12市町村を除いた1,707町村の調査結果を踏まえ、推計値を算出した。

なお、荒廃農地とは、「現に耕作に供されておらず、耕作の放棄により荒廃し、通常の農作業では作物の栽培が客観的に不可能となっている農地」。荒廃農地は、整地や区画整理等により通常の農作業による耕作が可能となると見込まれる「再生利用が可能な荒廃農地」と、農地として復元し継続して利用することができないと見込まれる「再生利用が困難と見込まれる荒廃農地」に区分される。

耕作放棄地とは、以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付けせず、この数年の間に再び作付けする意思のない土地をいう。

【参考】
農林水産省 - 平成26年の荒廃農地の面積について

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