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石炭火力発電所の新設に環境省「待った」 温室効果ガス対策不足で

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環境省は、11月13日、秋田県秋田市および千葉県市原市に新設する石炭火力発電所について、日本が定めた温室効果ガス削減目標と矛盾することを理由に、新設を認めない趣旨の環境大臣意見を経済産業大臣に提出した。

対象になった秋田港発電所(仮称)建設計画(丸紅および関電エネルギーソリューション)は総出力約130万kWの石炭火力発電所を新設する事業。また、市原火力発電所建設計画は東燃ゼネラル石油千葉工場において、出力約100万kWの石炭火力発電所を新設する事業だ。

発電所の計画には環境大臣から意見が出せる

環境影響評価法および電気事業法では、出力11.25万kW以上の火力発電所の設置、変更の工事を対象としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書※に意見を言うことができるとされている。

※計画段階環境配慮書:配置・構造または位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影響の回避・低減についての評価を記載した文書。

環境大臣の意見によると、今回の事業は、日本の温室効果ガス削減目標である「日本の約束草案」とエネルギーミックスの達成に支障を及ぼす。また、両事業ともに天然ガス火力発電所と比較して多い分の温室効果ガスについての環境保全措置を講じていない。以上の点から、今回の事業における計画内容は現段階では認められないとした。

発電所による温室効果ガス、ルール作り進行中

日本が温室効果ガス削減目標である「日本の約束草案」で示した2030年度の総発電電力量に占める石炭火力発電の割合は、2013年度では既に上回っている。さらに石炭火力発電所を新増設すると、その割合が増加する懸念がある。

このような状況において国の目標・計画と整合を取るためには、電力業界全体で二酸化炭素排出削減に取り組む実効性のある枠組(以下「枠組」という。)が必要不可欠だ。2015年7月17日に公表された電気事業分野の「自主的枠組みの概要」と「電気事業における低炭素社会実行計画」には、まだ詰めるべき課題があると指摘されており、現在具体的な仕組みやルールづくり等の検討が進められている。

今後、発電所を建設する電力事業者は、示された枠組を満たした具体的な仕組みやルールなどを検討しなければならない。それが達成されない場合は、今回のように是認されない可能性がある。

【参考】
環境省 - 秋田港発電所(仮称)建設計画に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について
環境省 - 市原火力発電所建設計画に係る計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について

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