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「2016年夏、電力供給は余裕だった」「冬も大丈夫そう」 OCCTOの報告書

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電力広域的運営推進機関(OCCTO)は18日、最新の「電力需給検証報告書」をとりまとめ公表した。

この報告書は、OCCTOが9月以降、2016年度夏季の電力需給実績および2016年度冬季の電力需給見通しの検証を行い、同機関の「調整力および需給バランス評価等に関する委員会」で専門家による審議を経てとりまとめられたもの。

2016年度夏季の電力需給の結果分析

夏の供給は安定していた

供給面では、火力発電の計画外停止件数が震災前を下回るなど、十分な供給力が確保できた。また、需要面では、ほとんどの地域で想定ほどの猛暑とはならず、節電の定着もあいまって、全国大でみれば需要が想定を大きく下回った。その結果、2016年度夏季の需給は最大需要日においても安定した状況だった。

これは、発電事業者が、昨年までと同様に巡視点検の強化や定期検査の延期等を行い適切に夏に備えたことに加え、国民が節電の努力を継続していることによって実現したものであり、安定供給の維持のため、今後もこうした取組みが継続されることを期待したい。

なお、今回の検証を通じ、節電がかなり定着している状況であると確認できたため、来年以降は実態を踏まえた検証ができるよう、需要想定への反映について検討を進る。需給両面での検証結果のポイントは下記の通り。

供給面

  • 火力発電
    震災後初めて、老朽火力の計画外停止が震災前の水準を下回った。最大需要日における計画外停止による供給力低下分の合計は288万kW(揚水27万kW含む。予備率に与える影響はマイナス2.0%)だった。引き続き、各発電事業者において点検や補修に万全を尽くす必要がある。
  • 水力発電
    一部の地域では降雨量が少なく、また、ダム水位の低下による運用変更等を行ったため、日本全国で見ると最大需要日の供給実績は事前の想定を下回った。
  • 太陽光発電
    太陽光発電の設備量の合計は事前の想定を197万kW(約6%)下回った。一方、出力比率は、事前の想定において安定的に見込める量のみを供給力に計上していたことから、すべての旧一般電気事業者において上回り、全国合計では供給実績が事前の想定である737万kWを806万kW上回った。
  • 風力発電
    ピーク需要発生時に供給力がゼロとなるケースがあることも考慮し、安定的に供給力に計上できる分として保守的な想定を行っている。このため、実績においては、設備量の合計は想定を下回ったものの、出力比率が全ての旧一般電気事業者において想定を上回り、供給実績は事前の想定である3万kWを45万kW上回った。

需要面

2016年度夏季は、ほとんどの電力管内において、想定した猛暑を下回る気温となったこと、想定を上回る節電がなされたことにより、1社を除き全ての旧一般電気事業者において最大需要実績が事前の想定を下回った。また、今夏は、東日本大震災以降、初めて政府による節電要請が実施されなかったが、節電の実績は過去3年間(2013年夏季~2015年夏季)と同程度であり、省エネを含む節電が広く定着しているとうかがえる。

新電力を含めても予備率3%以上

また、同機関は平常時の需給監視業務において把握しているデータを活用し、2016年度夏季における新電力も含むエリア全体の需給実績についても確認した。

最大需要実績は、今年6月時点の想定(猛暑H1想定)を四国、沖縄エリアを除き全国的に下回り、電力の安定供給に最低限必要な予備率3%以上を確保した。なお、各エリアとも旧一般電気事業者の需給のみを対象とした検証結果と大きな違いはなかった。

猛暑H1想定では、東京エリアの8月の予備率が2.7%と厳しい状況であったが、供給力が想定を204万kW上回り、需要が295万kW下回ったことから、追加的な需給対策メニューを発動しなくても電力の安定供給に最低限必要な予備率3%以上を確保し、需給逼迫に至ることはなかった。東京エリアにおける供給力の増加は、太陽光の供給力の実績が271万kW7想定を上回ったことが主な要因。

また、需要面におけるピーク時間帯の確認では、北海道、関西、九州、沖縄エリア以外は、一般送配電事業者が供給計画において想定したピーク時間帯と実際の夏季最大需要電力のピーク時間帯が一致した。

北海道、関西および沖縄エリアは、節電等により需要が比較的平滑化されており、ピーク時間帯が想定より多少前後したものと考えられる。

九州エリアは、夏季平日におけるピーク時間帯が15時だった。2011年度以降、昼間帯の節電が進んできたことや、近年の太陽光発電増加に伴う影響もふまえ、2016年度供給計画ではピーク時間帯を17時と想定していた。しかし、今夏は平年と比べ、日の最高気温発生時(13時~14時頃)から17時にかけて、気温が大きく下がったことが影響し、ピーク時間帯が15時になったと推測される。

冬季も安定して電力供給できる見込み

今冬が、至近10か年で最も厳寒となった場合でも、全国的に安定的な電力供給に必要な供給予備率3%が確保できる見通し。

同機関は、24時間体制での需給監視を引き続き適切に遂行し、各エリアにおいて系統運用を担う一般送配電事業者、およびその他の電気事業者と密に連携し、万一の緊急需要にも即応できる協調体制を構築し、維持していく。


これまで夏季および冬季の電力需給見通し並びに結果の分析は、経済産業省の「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会電力需給検証小委員会」がとりまとめを行ってきたが、9月より、需給検証の作業を同機関が実施することとなった。そのため、同機関では検討手法などについても改善していく予定だ。

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