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日本に流れつく海底・漂流・漂着ゴミのレポート公開 高濃度の有害物質も

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日本に流れつく海底・漂流・漂着ゴミのレポート公開 高濃度の有害物質も

環境省は3月23日、2015年度に海岸などにある漂着ごみ、海面に浮遊する漂流ごみ・海底に堆積するごみ(海底ごみ)に関して量や種類などを調査した結果をとりまとめ公表した。

漂着ごみの実態調査では、人工物の構成比を容積ベースで見た場合、漁具・ペットボトル・プラスチック類の3品目が上位を占めていた。また、各調査地点で回収されたペットボトルの製造国別比を言語表記等から推定すると、たとえば、沖縄県石垣島では約8割を中国製が占める一方、東京湾岸の富津では日本製がほとんど全てを占めていた。

地方公共団体、民間団体等において2014年度に回収された漂着ごみ(自然物を含む)の量をとりまとめたところ、全国的な漂着ごみの回収量は約4.9万トン(2013年度は約4.5万トン)となった。

この海洋ごみ調査は、環境省が2010年度から実施しているもの。2015年度は、漂着ごみ調査等については10カ所の海岸において、漂流・海底ごみ調査については、沿岸海域(東京湾、駿河湾、伊勢湾)や日本周辺の沖合海域において行った。

さらに、近年、海洋生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチック(マイクロビーズを含む)についても調査を行った。マイクロプラスチックは、微細なプラスチックごみ(5mm以下)のことをいう。含有・吸着する化学物質が食物連鎖に取り込まれ、生態系に及ぼす影響が懸念されている。マイクロビーズはマイクロプラスチックのうち、マイクロサイズで製造されたプラスチックでビーズ状のものをいう。

沿岸海域における漂流・海底ごみの調査結果

沿岸海域ののべ10海域において、目視観測による漂流ごみの量や種類などを調査した。発見された漂流ごみ(計3,686個)のうち人工物は約25%(921個)を占め、人工物のうち種類別の個数では、プラスチック類、レジ袋等の包装材、トレイ等の食品包装、ペットボトルが多くみつかった。

また、海底ごみを回収し、このなかでの人工物について調査したところ、ほとんどの調査地点において、プラスチック類が占める割合が高いことがわかった。また、金属類は容積ベースでみると割合が小さいものの、個数・重量でみるとプラスチックに次ぐ回収量となる調査地点が多かった。

沖合海域等における漂流・海底ごみの調査結果

本州・四国・九州周辺の沖合海域において、漂流ごみの密度の推定のため、実施した目視観測調査では、日本海北部の86.0個/km2が最も高くなり、次いで東シナ海海区の82.8個/km2となった(他海区は32.5~66.1個/km2)。 日本周辺の沖合海域において、漂流ごみの密度の推定のため、実施した目視観測調査では、人工物については、日本海北区の86.0個/km2が最も高くなり、次いで東シナ海海区の82.8個/km2となった(他海区は32.5~66.1個/km2)。自然物については、東シナ海から日本海西部で75.0~73.7個/km2と高い密度となった(他海区は19.0~41.1個/km2)。

また、常磐沖・鹿児島周辺海域(薩摩半島南方沖・鹿児島湾内)において、トロール網を用いた海底ごみの回収調査を実施したところ、人工物については、鹿児島湾内では11.61kg/km2が最も高い密度であった一方、常磐沖では最高で100kg/km2を超える箇所があった。

マイクロプラスチックに関する調査結果

沖合海域・沿岸海域における漂流ごみの目視観測調査とあわせ、ニューストンネット(表層を浮遊するプランクトン等の採取に用いるネット)を用いて、マイクロプラスチックを採取するとともに、サイズ別に分類して、その数を計測した。

その結果、沖合海域においては2014年度調査と合わせてみると、日本海北部や九州周辺で相対的に高い密度を示す傾向が見られた。沿岸海域においては、東京湾の2地点において相対的に高い密度(5.1~9.7個/立米)となった(他地点は1.6個/立米以下)。

マイクロプラスチックに含まれる有害物質(POPs)の調査結果

漂着ごみに係る実態調査の一環として、海岸18地点、海上10地点で採取されたマイクロプラスチックについて、残留性有機汚染物質(POPs: Persistent Organic Pollutants)に関する分析を行った。

POPsのうち、漂流中に表面に吸着すると考えられるポリ塩化ビフェニル(PCBs)については、東京湾や大阪湾など都市部に隣接する内湾では相対的に高濃度(マイクロプラスチック1gあたり数百ng)、離島では低濃度(同数ng)であり、各濃度はこれまでの他の先進国の傾向と一致している。

また、過去に製造された製品中に添加されていたと考えられるポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDEs)については、マイクロプラスチックのサイズによっては、沖合海域でも沿岸海域と同程度の濃度で検出された場合があった。

今回の調査では、この他の取組みとして、沖合海域における漂流ごみの目視観測調査において実際に観測された漂流ごみの場所や種類をもとに、海流や風のデータを用いてシミュレーションを行い、それらの観測前後の漂流経路や漂着地域の推定を行った。

なお、残留性有機汚染物質(POPs)とは、難分解性・生物蓄積性を有し、国境を越えて長距離を移動して環境汚染を引き起こすおそれがある物質のこと。「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」の下で、日本では製造・使用が原則禁止されている。

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