日本独自のサポート体制と世界標準の製品品質で次代の電力社会に貢献する

  • 印刷
  • 共有

パワーコンディショナの世界トップシェアを誇る独SMA。その日本法人であるSMAジャパンは、2011年の設立以来、住宅用からメガソーラー用に至るまで、幅広い製品ラインナップを活かして数多くのパワコンを供給してきた。40年近い歴史に培われた製品の設計思想と日本市場で鍛えられたサービスへの思いを、同社サービスダイレクターの川上勝史氏に聞いた。

SMAジャパン

日本オリジナルのサービスメニュー

日本市場参入から6年、大型の産業用パワコンは1,300台以上の納入実績がある同社。日本でビジネスを行うにあたって、日本市場ならではの特徴が見えてきたと川上氏は語る。

「私は技術部門の責任者を経て、サービス部門の責任者になりました。大型から小型まである程度の数の製品を納入し、お客様からさまざまな声をいただいて見えてきたのは、特に小型のパワコンではお客様がサービスに求める点が海外の市場とは異なるということです」。

同社では、パワコンに不調が起きた際に代替機を送付して対応するセンドバック方式を導入している。不調が起きた、止まった、という連絡を受ければ同社はすぐに代替機を発送。顧客は後から故障機を返送すればよい。しかし当初顧客からは「SMAはなぜ現場に来ないのか」という意見が多かったという。

「海外では、フィールドサービス費用をいただかない代わりに代替機はお客様自らが交換するのがスタンダードです。しかし、日本では駆けつけ対応が重視される。ここに考え方のギャップがあると感じ、それならば徹底したサポートをしよう、と『安心安全パッケージ』というサービスメニューを開発しました」(川上氏)。

※「安心安全パッケージ」は10年プランもあり。保証・補償内容の詳細はSMAホームページ・パンフレットを参照
※「安心安全パッケージ」は10年プランもあり。保証・補償内容の詳細はSMAホームページ・パンフレットを参照
こちらをクリックすると拡大します
川上勝史氏 SMAジャパン株式会社サービスダイレクター
川上勝史氏
SMAジャパン株式会社サービスダイレクター

岡山大学工学部電気電子工学科卒業。
2006年より SMA Solar Technology AG 製品の分散型オフグリッドおよびパワーコンディショナを扱い始める。2010年に日本への本格市場投入準備として、JET(電気安全環境研究所)認証取得をサポート。2011年6月、日本法人立ち上げに伴いテクニカルダイレクターに就任。2015年よりサービスダイレクター。

『安心安全パッケージ』は、同社製品購入時にのみ併せて購入できるサービスで、不具合発生時の機器交換や出張作業料の保証に加え、火災や落雷、風災などの災害に対する補償を最大20年間提供するサービスである。20年という保証期間は業界最長であり、これを実現させるために大手損害保険会社が参画しているという。

「自社で供給した製品を、末永くサポートしたい。有償のサービスである以上、きちんと責任を持って対応します」と話す川上氏だが、ドイツの本社でこのサービスを提案した際には、海外ではこういった文化がないこともあり反対を受けたという。それを半年以上かけて説得し、顧客はもちろん、会社にも利のあるサービスとして2017年8月からの受注開始にこぎつけた。

「お客様からはかなり良い反応をいただいています。20年間何もなければ掛け捨てになってはしまいますが、安心安全パッケージの価格はパワコンを2台買うよりずっと安く設定しています。20年保証がついて安心できるなら一緒に購入しよう、と感じていただいているようです」(川上氏)。

他社とは違う「センドバック」

小型パワコンに不具合が発生した際、不具合機を送ると代替機が届く仕組みが「センドバック」であり、パワコンメーカー各社がこのサービスを行っている。しかし、メーカーにより代替機送付のタイミングはさまざまである。不具合機がメーカーに到着してから代替機が発送されることもあり、この場合代替機が届くまで発電がストップしてしまう。

SMAのセンドバックについて、川上氏は「グローバルでは地域により多少対応が異なりますが、日本ではお客様からお電話をいただいた時点でまず代替機を発送しています。SMAならばすぐに代替機を送ってくれる、すぐ復旧できる、と評価いただいて当社製品をリピートオーダーしてくださるお客様がいらっしゃるのは嬉しいことです」と言う。

【SMAジャパンについてのお問い合わせ】
お問い合わせはこちら

次ページ →最短で翌日に復旧ダウンタイムが短い理由

この記事にリアクションして1ポイント!(※300ポイントで有料記事が1本読めます)