「農業の工業化」へ 大和ハウスが商業施設向け商品展開

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大和ハウス工業は、大和ハウスグループの「農業の工業化」第一弾商品となる植物工場ユニット「agri-cube(アグリキューブ)」を商業施設向けに4月5日より販売する。同商品は、外食産業向けに野菜を育てることができる小規模サイズの植物工場。農業生産効率を高める技術を独自に開発、採用し、葉菜類を中心に年間1万株を生産できるのが特徴。住宅業界で植物工場ユニットを販売するのは国内初。

高級タイプ「agri-cube E」と標準タイプ「agri-cube S」の2タイプあり、いずれもオプションで太陽光発電パネル(1kW)を設置できる。本体価格は、「agri-cube E」850万円、「agri-cube S」550万円。いずれも軽量鉄骨造の平屋建。面積は9.79平方メートル(約3坪)。2012年度の販売目標は、1,000台。同グループは、今回の販売開始を機に、農業の工業化をより積極的に推進し、グループ全体で連携した農業事業活動を行う方針。

agri-cubeは、大和リースと共同開発したユニット式の建物に「照明器具昇降システム」「養液循環・排水システム」などを組み合わせ、葉菜類を中心に野菜を水耕栽培できるパッケージ商品。照明器具昇降システムは、野菜の生育状況にあわせて栽培棚上部の照明を手動で動かすことができ、これにより消費電力を約20%削減できる。養液循環・排水システムは、栽培棚ごとに排水経路を設け、清掃を効率化するもの。

設備面では、栽培棚、エアコン、全熱交換機(換気システム)、蛍光灯照明などの機器をパッケージ化。性能面では、屋外設置ができるように外壁には防錆塗装を施すとともに、最適な植物生産環境を保つために、床・壁・天井には断熱材を充填することで、小規模ユニットと比べて断熱性能を約5倍に向上。施工面では、工場で全て事前に組み立てるため、最短1日で設置でき、床面積を10平方メートル以下としたことで建築確認申請の手続きが不要。

agri-cubeの導入により、レストランやホテル、老人保健施設、給食センター、学校などで、安全・安心で安定した品質の新鮮な野菜を簡単に生産することができる。具体的には、レタス、ミズナ等の葉菜類、パセリ、ルッコラ等のハーブ類、チンゲンサイ等の中国野菜を中心に、23種類の野菜を年間約1万株収穫可能。

リーフレタスの場合、種から約42日かけて栽培。種を培地となるスポンジに蒔き、栽培棚下部の暗所で約3日かけて発芽させたあと栽培プレートに植えかえ、約35日かけて栽培する。

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