政府、現行制度を統合し新国内クレジット制度を検討、2013年導入へ

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環境省、経済産業省、農林水産省の3省は、国内クレジット制度とオフセット・クレジット制度(J-VER制度)を統合し、2013年度からの新たな国内クレジット制度の発足するための検討を開始する。有識者等からなる検討会を設置した。2回程度の検討会を実施し、本年半ばまでに一定の方向性を示す考えだ。第1回目の検討会は4月16日に開催される。

2013年度以降の新たなクレジット制度は、国内クレジット制度とJ-VER制度の優れた点を取り入れて相互補完するとともに、事業者の環境投資を有効に後押しし、地域の取り組みをさらに進めるものとなることを目指す。検討会では、現行の両制度の評価、統合の是非、統合の検討に当たって解決すべき諸論点等について検討する。

国内クレジット制度とJ-VER制度は、ともに温室効果ガスの削減量をクレジットとして認証する国内制度である。国内クレジット制度は、大企業等による技術・資金等の提供を通じて、中小企業等が行った温室効果ガスの排出削減量を国内クレジットとして認証し、大企業等の自主行動計画の目標達成等のために活用できる制度。経済産業省、環境省及び農林水産省の3省を事務局として2008年10月に運用を開始した。これまでに認証された国内クレジットは、累計で約44.9万t‐CO2で、2012年末までの温室効果ガスの削減見込み量は約185万t‐CO2。

J‐VER制度は、国内における排出削減・吸収の取組を一層促進するため、国内プロジェクト由来の排出削減・吸収量をオフセット・クレジット(J-VER)として認証するもので、2008年11月に環境省が開始した。2012年3月時点で、累計認証クレジット量は26万t‐CO2となっている。

両制度とも京都議定書の約束期間である2012年度末を制度のいったんの区切りとしている。また、近年では、両制度の活用機会の増加に伴い、両制度において重複する方法論が採択される等両制度で共通する部分が増えてきた。このため、2013年度以降の制度の在り方について関係省で検討会を設けて検討を開始することとした。

参考:環境省 - 新クレジット制度の在り方に関する検討会の設置及び開催について

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