兵庫県に世界最大級の蓄電池研究施設が完成、現状比5倍の蓄電池性能を目指す

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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、兵庫県の播磨科学公園都市内にある大型放射光施設「SPring-8」に設置した蓄電池研究専用の「RISINGビームライン」が完成したことを発表した。同施設は、電池内部の反応メカニズムの解析に特化した性能を持っており、今後、革新型蓄電池の開発を加速することが期待されている。

同施設の特徴は以下の3点。1点目は、SPring-8固有の高輝度X線を最大限活用し、電池反応解析に必要な「空間分解能」および「時間分解能」を確保できる点。2点目は、非平衡状態・界面被覆状態・反応分布状態等をその場(in situ)測定する為の解析系を整備する点。3点目は、電池サンプル準備からその場(in situ)測定の為の連続的な実験設備を常備する点。これらの特徴を生かした世界初の解析知見はすでに種々得られており、順次活用しつつある。

革新型蓄電池先端科学基礎研究(RISING)事業は、NEDOが2009年から7年計画で「2030年に500Wh/kg(現状比5倍)のエネルギー密度を有する革新型蓄電池の実現」を目指すプロジェクト。京都大学・産業技術総合研究所関西センターを拠点に、8大学・4研究機関・12企業がオールジャパン体制で技術開発に取り組んでいる。

同事業発足当初より、チャレンジングなRISING目標を達成するためには「従来よりブラックボックス化しており、技術者の勘に頼った電池内部の反応メカニズムを明らかにすること。そして、その為の解析設備を立ち上げること」が必要不可欠であることを認識し、発足後3年間の活動方針として「解析手法の整備と革新電池新概念の検討」を掲げ、SPring-8「RISINGビームライン」の立ち上げに注力してきた。その結果、世界に類似を見ないオンリーワンの電池解析専用施設が完成した。

参考1:NEDO - 世界最大級の蓄電池専用解析施設「RISINGビームライン」が完成
参考2:SPring-8 - SPring-8とは?

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