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コンパクトカー「iQ」デビュー

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2012年欧州環境規制対応で市場獲得狙う

環境性能満載のコンパクトカー「iQ」が、第21回東京国際映画祭(10/18~10/26)でデビューを飾った。オープニング・セレモニー(18日・けやき坂)では会場の六本木・けやき坂に200mのグリーンカーペットへ向かう映画人たちの「足」として登場、「TOYOTA Earth Grand Prix」を新設するなど、世界初の"グリーン映画祭"をバックアップし「エコ」をアピールしたトヨタ。その本当の狙いは欧州環境規制とライバル車「スマート」攻略にあった。

コンパクトカー「iQ」

スペシャル・パートナーをつとめたトヨタ。オフィシャル・カーとして関係者の移動に使用されたトヨタのコンパクトカー「iQ」(全長3m弱で4人乗りを実現、燃費は23km/L)。

ペットボトルの3分別

オフィシャル・パートナーの日本コカ・コーラはペットボトルの3分別(キャップ、ラベル、ボトル)を展示した。原油価格の下落と景気後退で、ペットボトルは中国への輸出が滞り、行き場を失った状態で不法投棄のリスクが指摘される。不法投棄の回避にはメーカーから流通、消費者まで一体の取組みが必要だ。

麻生太郎首相御手洗富士夫経団連会長、甘利明内閣府特命担当大臣

麻生太郎首相は映画『レッドクリフ』のジョン・ウー監督、俳優の金城武さん、トニー・レオンさんらとグリーンカーペットに登場、御手洗富士夫経団連会長、甘利明内閣府特命担当大臣もオープニング・セレモニーに登場した。

世界初のグリーン映画祭となった東京国際映画祭をバックアップしたスペシャル・パートナーのトヨタ自動車は、映画祭を通じ、コンパクトカー「iQ」をPRした。オープニング・セレモニーでは国内外のセレブリティたちの"足"となったほか、会場内に展示され、そのコンパクトさで注目を集めた。11月20日の発売開始を前に同11日には自動車の専門記者らが選ぶ日本カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれ、営業利益1兆円割れのトヨタショックを払拭する好スタートへの期待は高まる。

コンパクトカー市場では、ヴィッツ(トヨタ)やフィット(ホンダ)、マーチ(日産)がトップを競うなか、新カテゴリーとして電気自動車も登場してきた。BMWの電気自動車「ミニEV」のほか、三菱自動車の「i-MiEV」や富士重工の「スバルR1e」がデビューを控えている。会場の内外に掲出された「Action for Earth(映画祭の標語)」の下のTOYOTAのロゴからは、世界一のエコカー・ブランドの座を死守したいトヨタの意地が透けてみえるようだった。

iQは来場者の目にはどう映ったのだろうか――。「3m弱の小ささで4人乗りはすごい!」「ヴィッツとどこが違うの?」など、来場者の反応もどっちつかず。国内外の映画人らと同時に画面に映し出すことでコンパクトカーのチープ感を払拭する狙いはある程度達成できたかもしれないが、訴求力は"もう1つ"という印象だ。

実は、「トヨタの本当の狙いは2012年から欧州で導入される排ガス(CO2)規制への対応」といわれている。新規制は、1km走行当たりのCO2排出量基準は平均130gになると目されており、企業(またはグループ全体)の平均値での規制のため、大型車の超過分をコンパクトカーやハイブリッド車で補うことになる。つまり、利幅の薄いコンパクトカーを売ることで高付加価値の大型高級車を売れるというわけだ。ベンツが「スマート」を売る理由もそこにある。

iQのCO2排出量は99g/kmで、スマート(ガソリン車)の103g/kmを下回る(ただし、同ディーゼル車では88g/km)。価格帯も、スマートの167万円を下回り、iQは140万円で販売予定だ。

欧州市場のシェア獲得は、グリーン映画祭をプロデュースした依田巽チェアマンの狙いとも一致。業界関係者が作品の売り買いを行う、コンテンツ見本市「TIFFCOM」は、200社以上の出展、1万9000人の述べ来場者数となり、前年比16.5%増、20%増となったが、これは1年越しの欧州への積極プロモーションの成果とのこと。iQを市場に投入するトヨタも、映画祭主催者側も、海外のメディア関係者の目を強く意識した戦略をとっていたというわけだ。

スポンサーあっての映画界、そして環境ブランド力で消費者の心をつかみたい自動車メーカーとの「あ・うん」の呼吸のマーケティング戦略で開催されたグリーン映画祭。11月20日からのiQの販売実績がその成果を示すことになりそうだ。

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