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毒性が報告されているレアメタルが中国大陸から飛来・蓄積していることが判明

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毒性が報告されているレアメタルが中国大陸から飛来・蓄積していることが判明

東北大学と愛媛大学の研究チームは、八幡平の山岳湖沼において、アンチモン(Sb)やインジウム(In)などこれまで耳慣れなかった微量金属(レアメタル)が中国大陸から大気降下物として飛来し、その蓄積速度がここ30年間で急激に増加していることがわかった、と発表した。八幡平山岳湖沼の湖底堆積物分析から明らかにした。

また、中国大陸由来の大気降下物にはリンや窒素などの栄養塩が含まれており、手付かずの自然と考えられていた八幡平の山岳湖沼でも富栄養化が進行していることを示した。

SbやInは液晶パネルやLEDの生産に用いられているが、人に対する毒性も報告されている。今回の研究成果は、わが国の生態系や人の健康に及ぼす中国大陸由来の大気降下物の影響解明が喫緊の課題であることを指摘する。

これまで、生態系について近過去(100~200年前までの過去)の様子や現在に至る変遷・変化はモニタリングデータがないため知るすべはなかった。

この問題を克服するために、東北大学大学院生命科学研究科の占部城太郎教授の研究チームは、愛媛大学の加三千宣講師・槻木玲美研究員らと共同で、湖底から柱状堆積物を採集し、鉛放射性同位体及びセシウム放射性同位体を用いた年代測定と堆積物に含まれるプランクトン遺骸や化学物質の分析を詳細に行うことで過去100~200年間の湖沼の生物相の復元や環境の変遷を解明するための技術開発を行なっている。

今回、日本の山岳湖沼の現状の近年の変化を把握するモニタリング研究の一環として、それら技術を用いて八幡平の八幡沼と蓬莱沼の環境変化を解析した。

研究の結果、八幡平での堆積が明らかとなったSbやInの他、錫(Sn)、ビスマス(Bi)といった微量金属は、日本での採掘は現在行われていない。Sb、In、Sn、Biは中国での生産が多く、また石炭燃焼とともに浮遊微粒子(エアロゾル)として大気に放出される。これらの堆積は中国大陸起源とする浮遊微粒子が広く飛散し、大気降下物として日本列島に飛来・蓄積したものと捉えている。

今回、解析と平行して鉛の安定同位体比を調べたところ、1960年ごろから大陸起源の大気降下物が増加し湖底に堆積していることが明らかとなった。鉛の安定同位体比は石炭の産地を指標することが判っており、八幡平の湖沼堆積物の鉛同位体比は日本ではなく、中国の石炭燃焼の際に発生する鉛同位体比と一致したことから、中国大陸からこれら微量金属が飛来し湖沼の湖底に堆積していることが裏付けられた。

また、八幡平の山岳湖沼において大陸からの大気降下物の影響で富栄養化が進行していることがわかったが、湿原土壌は栄養物質のなかでもリンを吸着する性質があるため、湿原に囲まれた八幡沼では富栄養化の進行は顕著ではなかった。この結果は、山岳地帯にある湿原は大気降下物の影響を緩和するうえで重要な機能を担っていることを示唆するものだとしている。

本成果は、微量金属に関しては環境科学の国際誌Science of the Total Environment(2013年1月号)に、山岳湖沼の富栄養化に関しては生態学の国際誌Ecological Research誌(2012年6号:12月発刊)で発表される。

【参考】
東北大学 - 八幡平に中国大陸からレアメタルが飛来し蓄積、山岳湖沼では富栄養化も進行していることが判明

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