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東芝、「超臨界CO2サイクル火力発電システム」の実圧燃焼試験に成功

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東芝、「超臨界CO2サイクル火力発電システム」の実圧燃焼試験に成功

超臨界CO2サイクル火力発電システムは、既存のガスコンバインドサイクル発電システムと同等の発電効率を有しながら、CO2を分離・回収する設備を別に設置することなく、高純度の高圧CO2を回収することができるシステムとして期待されている。東芝は、現在開発中の超臨界CO2サイクル火力発電システムにおいて、重要部品であるガスタービン用燃焼器の目標圧力(300気圧)での実圧燃焼試験に成功したと発表した。

今回成功した燃焼試験は、米国カリフォルニア州の試験機関の設備を利用して同社が2013年1月に開始し、燃焼器の圧力を段階的に上げて燃焼特性の評価を行ってきたもの。

既存のガスタービン発電設備は20気圧程度の圧力で燃焼させるのに対し、今回の超臨界CO2サイクル火力発電システムでは300気圧での燃焼を目標としていた。そのため高温・高圧のガスタービン燃焼器の実現が大きな課題となっていたが、ここでの燃焼試験の成功で開発の第一のステップを達成したことになる。

また、超臨界CO2サイクル火力発電システムは、高純度の高圧CO2を回収できるシステムとしてだけでなく、燃料である天然ガスの燃焼には空気の代わりに酸素を用いるため、燃焼による窒素酸化物も発生しない環境調和型の火力発電システムを実現することができる。

同社は米国のネットパワー社、シカゴブリッジアンドアイアン社、エクセロン社との4社で2012年6月に本システムを共同開発することに合意し、重要部品である高温・高圧のタービンおよび燃焼器の開発を担当している。

本システムの開発に際しては、以下の3つのステップを重要なマイルストーンとして位置づけ、推進してきた。

  1. 超高圧・高温燃焼器の開発および燃焼試験
  2. 25MW級 パイロットプラントの設計、建設および実証試験
  3. 250MW級 商用機の設計と販売

今回の燃焼試験の成功により、本システムの実現に向け大きく前進した。4社は今後、パイロットプラントを米国内に2015年に建設し、実証試験を経た上で2017年に250MW級プラントの商用化を目指す。

同社は今後、EORのニーズの高い米国や中東地域等で、本システムの事業展開を図るとともに、石炭ガス化発電システムへの適用による燃料多様化への対応、LNG受入れ設備への併設によるプラント効率向上等を検討し、環境調和性の高い本システムの提案を通じて、エネルギーの最適活用と地球温暖化防止に貢献していくとしている。

超臨界とは、気体と液体の境界がなくなり、気体と液体の中間的な性質を持つ状態。CO2の場合、セ氏31度、74気圧より高温、高圧の領域で超臨界状態となる。EORは、老朽化した油田の掘削現場において、高圧のCO2を注入し、石油採掘量を増大させる手法。EORではCO2を約100気圧以上の圧力に高める必要があるが、超臨界CO2発電システムでは直接300気圧の圧力で取り出すことが可能。

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