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パワー半導体の世界市場、2020年には12年比66%増と成長予測

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富士経済は、自動車や家電の省エネに寄与するパワー半導体の世界市場の調査結果を報告書「2013年版 次世代パワーデバイス&パワエレ関連機器市場の現状と将来展望」にまとめて発表した。

これによると、従来からのシリコン系を中心とした「パワー半導体」の2020年の世界市場は、2012年比166.1%の2兆7,907億円、SiC系、GaN系、ダイヤモンド系、酸化ガリウム系などの「次世代パワー半導体」の世界市場は、2012年比25.8倍の1,909億円と予測。

現状では、次世代パワー半導体はパワー半導体市場の1%にも満たないが、今後存在感は大きく増すとみられ、2020年にはシリコン系が市場の93%、次世代パワー半導体が7%を占めると予測している。

各市場の状況と注目市場は以下の通り。

■パワー半導体世界市場

シリコン系は、4割以上を占める民生機器用と産業用の落ち込みが響き、2012年は1兆6,797億円にとどまった。2013年は、民生機器用や産業用の回復、自動車電装用の伸び、円安などにより前年比2割増と3年ぶりに2兆円を突破する見込み。パワー半導体は世界的に需要が拡大し、2020年の市場は2兆7,907億円と予測。民生機器用のほか、自動車電装用は堅調な伸びが期待され、産業用も新興国を中心に増加すると予想される。

■次世代パワー半導体世界市場

次世代パワー半導体で市場が立ち上がっているのはSiC系のみでGaN系は僅少。ダイヤモンド系、酸化ガリウム系は研究開発段階で、2020年にも市場は顕在化しないと予想される。

【1】SiC系(炭化ケイ素系)

SiC系次世代パワー半導体は、2012年に前年比17.5%増の74億円となった。産業用や鉄道車両用などで新たに参入するメーカーが増加する一方で、電気自動車やハイブリッド自動車での採用を狙っているが、自動車メーカーの低コスト要求をクリアできていない。SiC系のうち「SiC-SBD」は、着実に市場に浸透しているものの拡大は比較的緩やか。

これは基板コストやデバイスコストは下がっているが、ユーザーにとっては依然として高コストであることが理由として挙げられる。2014年には6インチ基板の投入と量産化が予想され、2016年以降には量産効果による低コスト化で需要が喚起され市場拡大が期待される。「SiC-FET」は2013年に市場が形成され6億円が見込まれる。生産プロセスが複雑で歩留まりが低く、低価格化は進みにくいとみられる。

【2】GaN系(窒化ガリウム系)

GaN系次世代パワー半導体は、2012年時点では小口販売が主体で市場形成には至っていない。日本ではサンプル出荷が中心だが、先行する米国では既に量産が開始されており、2013年にも高級オーディオ製品での展開が予定され、市場も4億円が見込まれる。

定格電圧200Vが主体だが600Vのサンプル出荷も活発化しており、今後高耐圧化が進むことでアプリケーションの適用範囲が拡大すると期待される。将来的にはSiC系よりも低コストで量産できるとみられ、量産化を見据えた要素技術の開発が進むことで、2020年には1,000億円を突破し、SiC系を上回ると予測される。

■注目市場:焼結型素子接合材/風力絶縁基板(窒化ケイ素)

次世代パワー半導体で採用が期待される構成部材は、「焼結型素子接合材」と「絶縁基板(窒化ケイ素)」。

焼結型素子接合材は、現時点では研究開発や評価が進められており、焼結型素子接合材の市場は未形成。熱伝導率や耐熱性に優れており、SiC系向け接合材として有望視されていることから、SiC系の本格的な普及が進む2015年以降に市場が立ち上がると予測。ダイボンディングペーストメーカーやはんだメーカーも開発や製品化を図っており、参入メーカーはここ数年で急激に増加。2020年の市場は56億円と予測。

絶縁基板(窒化ケイ素)は、すでに自動車用で採用されており、2012年の市場は12億円。SiC系の本格的な普及が進む2015年以降に大きく拡大し、2020年には50億円が予測される。なお、窒化ケイ素と比較し、窒化アルミニウムの方が絶縁耐圧に優れるため、鉄道車両用や産業用についてはSiC系でも窒化アルミニウムの絶縁基板の採用が続き、用途ごとに使い分けられると予想される。

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