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ヒ素汚染土壌を浄化する新技術 触媒となる鉄粉もリサイクル可能

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ヒ素汚染土壌を浄化する新技術 触媒となる鉄粉もリサイクル可能

大成建設は、泥水式シールドトンネルで発生する自然由来ヒ素を含む汚染土壌を浄化する(汚染土壌に鉄粉を投入撹拌し、小型磁気分離装置でヒ素の付着した鉄粉を回収する)新技術と、その際使用した鉄粉のヒ素吸着能力を新品同様に回復させる技術を同時に開発した。

同技術はヒ素吸着用鉄粉を用いて、泥水式シールド工事で発生する泥水中のヒ素を回収して、二次処理土のヒ素溶出量を環境基準値(0.01mg/L)以下に低減する技術だ。ヒ素に汚染された余剰泥水に鉄粉を攪拌混合し、コンパクトな永久磁石磁気を搭載した分離装置(マグネットセパレータ。処理能力は、約2平方メートルの設置面積で120立方メートル/毎時で、限られたサイト内でも設置可能)により鉄粉を回収する。

同技術の効果を確認する実証実験では、環境基準値の約4倍を超える自然由来のヒ素で汚染された土を用いて、一連の泥水処理装置(図2)を用いて試験を実施した。その結果、汚泥重量に対して鉄粉の投入量5%、攪拌時間15分で、泥水中のヒ素濃度の環境基準値以下を達成し、鉄粉もほぼ100%回収できることを確認した。

図2 鉄粉によるヒ素回収効果の検討(実証試験)

図2 鉄粉によるヒ素回収効果の検討(実証試験)

また、同社は新技術として、特殊な酸を用いて吸着能力が飽和状態となった鉄粉の能力を回復させ、新品の鉄粉と同様に使用する方法(鉄粉リサイクル技術)を開発した。これまで、鉄粉はヒ素の吸着能力が飽和状態(0.5~1.0g/kg程度)になるまで繰り返し使用し、飽和状態になったら廃棄物として処理されてきた。しかしこの新技術により、鉄粉の使用量は従来の8割以上が、浄化処理の二次廃棄物量(酸の廃棄を含む)は約6割がカットでき、コスト削減も見込まれる。

近年、首都圏を中心に大深度のシールドトンネル工事が多く計画されているが、掘削時に環境基準値(土壌溶出量基準値)を超過する自然由来のヒ素を含む土壌に遭遇する場合がある。このような排出土を、セメント原料としての再利用や、管理型処分場の埋立てに使用するには多大なコストがかかり、処理量も限られるため、効率的に浄化して有効活用する方法が求められており、各社で開発が行われている。

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