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バイオマスからテトラヒドロフランを高効率で合成 石油代替しCO2削減に貢献

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バイオマスからテトラヒドロフランを高効率で合成 石油代替しCO2削減に貢献

東北大学大学院工学研究科の研究グループは、化学メーカーのダイセルとの共同研究により、糖の発酵と脱水により得られる「1,4-アンヒドロエリスリトール」から、溶媒等で幅広く利用される「テトラヒドロフラン(THF)」を高効率で合成する触媒反応系の開発に成功した。

開発した反応系では、レニウムとパラジウムを酸化セリウムに担持させた触媒を用い、1,4-アンヒドロエリスリトールを水素還元することで99%以上の収率でTHFを得ることができる。反応速度および触媒の安定性もきわめて優れている。さらに糖アルコール類の部分還元にも適用でき、キシリトールからペンタノール類、ソルビトールからヘキサンジオール類を85%以上の収率で得ることに成功した。

この技術は、従来の石油由来C4化学品製造を代替し、二酸化炭素の排出削減に貢献するとともに、近年のシェールガス革命に伴う石油由来C4製品供給の減少を補うことも期待される。今後、ダイセルとともに参画している東北大学レアメタル・グリーンイノベーション研究開発センターを拠点とし、実用化に向けたプロセス全体の改良と、触媒に使用する希少金属の使用量削減に取り組む。

石油の枯渇とCO2排出削減の観点から、現在石油から製造されている化成品をバイオマス等再生可能資源から製造する方法の開発が注目されている。加えて、近年のシェールガス革命により、石油由来ナフサを原料とする石油化学は競争力が低下しつつあり、特に、ブタジエン、1,4-ブタンジオール、THF等のC4化合物について石油原料からの代替は急務となっている。

一方、エリスリトールは、現在、糖の発酵により製造され、主に甘味料として用いられているC4の糖アルコールで、将来、発酵の原料や方法の開発により大規模化や低コスト化も見込まれている。エリスリトールは酸触媒を用いて脱水することで効率よく1,4-アンヒドロエリスリトールに変換できることが知られているが、エリスリトール及び1,4-アンヒドロエリスリトールはそれ以上の選択的な化学変換が難しく、化学工業原料としてはほとんど着目されていない。

今回開発された反応系では、主たる活性金属であるレニウムに助触媒であるパラジウムを添加し、酸化セリウムに担持した触媒を用いる。1,4-アンヒドロエリスリトールの1,4-ジオキサン溶液に触媒を加え、数十気圧の水素で加圧して140~180℃に加温し反応を行い、THFを得た。

従来知られていた均一系レニウム触媒では、水素以外の高価な還元剤を用いており、反応速度や触媒回転数も最大で本反応系の1桁下と十分とはいえないものだった。本反応系で用いる触媒は、活性が優れている上に、固体であり濾過で容易に回収でき、微量の付着有機物を焼成除去することで活性低下なく再使用が可能で、触媒金属使用量を最小限に抑えることができる。生成するTHFは、溶媒やポリエーテル樹脂の原料として用いられている有用化成品で、現在、石油を原料に世界で年数十万トン製造されている。

今回の反応は、隣接する2個のOH基を同時に水素化分解し除去するもので、他のバイオマス由来糖質の変換にも適用できる。例えば、炭素数が奇数の糖アルコール(C3グリセリン、C5キシリトール)からはOH基1個のアルコール類が収率87%以上で得られる。炭素数が偶数の糖アルコール(C4エリスリトール、C6ソルビトール)からは反応時間を適切に選ぶことでOH基が2個残ったジオール類を収率85%以上で得ることができる。

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