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2030年の電力需要、試算しなおしで微増 省エネ対策後の削減率は16.7%に

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2030年の電力需要、試算しなおしで微増 省エネ対策後の削減率は16.7%に

経済産業省は、省エネ対策前の2030年の電力需要見通しについて上方修正し、1万1,769億kWhになるとの試算結果を発表した。現状維持としてた電化率を、OA機器や家電の普及増、高齢化に伴い増加傾向にあるトレンドを踏まえ補正した。

また産業部門や家庭部門など各部門で徹底して省エネ対策を進めれば、2030年の電力需要は9,808億kWhとなり、17%(16.7%)削減できると試算している。


同省は、22日に開催した2030年の最適なエネルギーミックス(電源構成)について検討する有識者会議、第7回長期エネルギー需給見通し小委員会で、2030年のエネルギー需要見通しについて提示した。

また今回の委員会では、これまでのエネルギーミックスの議論における論点を整理した資料や、日本経済団体連合会や業界団体等から寄せられたエネルギーミックスの策定に向けた要望や考え方などの資料をもとに、下記のような議論が行われた。

2030年のエネルギー需要見通しについて

電化率を漸増トレンドを踏まえ補正した、省エネ対策前の2030年のエネルギー需要の見通しは、最終エネルギー消費377百万kl、電力需要1万1,769億kWh。2月の本委員会では、省エネ対策前の2030年の電力需要見通しは1万1,440億kWhと試算していた。

また、省エネルギー対策を徹底して進めた後のエネルギー需要の見通しは、最終エネルギー消費326百万kl(13%減)、電力需要9,808億kWh(17%減)と試算する。

最終エネルギー消費は省エネ対策で326百万klまで下がる

最終エネルギー消費は省エネ対策で326百万klまで下がる見込みだ

各部門の省エネ対策については、省エネルギー小委員会で対策をリスト化し、2030年の電力削減量(省エネ量)の算定を行ってきた。17日に開催した同委員会で、リスト化された省エネ対策をすべて実施した場合、2030年の省エネ量は5,036.3万kl、うち電力需要で1,823.1万kl(1,960.9億kWh)になるとの見通しを示している

あわせて、省エネ補助金の実績に基づく将来の省エネ投資額を試算し、5,000万kl(原油換算)の省エネが、2030年時点で設備投資の効果として発現しているためには、約37兆円の投資が必要だとしている。本委員会で、こうした試算結果が示された。

これまでの議論における論点

事務局の資料では「電力需要の特性に応じた電源の区分」「石炭とLNGを中心とした火力各電源の特徴」「太陽光と風力の年間を通じて安定的に見込まれる合成出力(日本のケース)」「広域的な系統利用のためのシステム・ルールの整備」等についてまとめている。

太陽光と風力の年間を通じて安定的に見込まれる合成出力(日本のケース)

太陽光と風力の合成出力によって、年間を通じて安定的に見込まれる出力量を、2013年度の全国実績データで見ると、最小値は5万kW、年間下位1%分(最小値から88時間目まで)の平均値は12万kW程度。太陽光は日中のみ稼働するため、年間を通じて安定的に出力が見込まれる量は全て風力由来の電源になる。太陽光と風力の合成出力として、年間を通じて安定的に見込まれる5~12万kWは、風力の2013年度末の設備容量の約2~5%程度となる。

広域的な系統利用のためのシステム・ルールの整備

4月1日に広域的運営推進機関が発足。同機関が策定するルールにより、再エネ等の発電事業者も地域間連系線の利用予約や、再エネ電気等の余剰電力発生時におけるエリアをまたいだ緊急的な広域融通が可能になる予定。また、同機関では、来年目途に予定されている小売全面自由化に向け、再エネ電気等の短周期の周波数変動を広域で調整するシステムや連系線の利用予約を直前まで変更できるシステムの開発が進められている。

広域的な系統利用のための地域間連系線の増強については、電力需給検証小委員会において議論を行い、大規模災害時の需給維持や、リスク分散等の観点から、東西間の周波数変換設備を210万kWから300万kWまで増強する必要性を確認。小委員会から電力広域的運営推進機関に対し、具体的ルートや実施時期を含めた増強方策について専門的見地から検討を実施することを要請し、本年9月までを目途に結果の報告を求めることとなった。

電源構成に占める石炭・LNG比率の国際比較

日本における電源構成に占める石炭の比率は、2010年で25%、2013年で30%。これは欧州平均と同程度で、米国、英国、ドイツ、世界平均よりも低い水準となっている。

また日本における電源構成に占めるLNGの比率は、震災前に既に29%と高かったが(2005年度は24%)、震災後にガスの発電量が増加したことから43%にまで上昇。日本は天然ガス資源を国内にほとんど持たない(LNGとして輸入)にもかかわらず、国際的に見れば、天然ガスへの依存度が高いと指摘する。

【参考】
資源エネルギー庁 - 総合資源エネルギー調査会 長期エネルギー需給見通し小委員会(第7回)

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